「食べること」は、人間生活の基本的行為の1つである。幼少期の集団生活での共食は、子どもの生活を豊かにすると共に、子どもが不適応やつらさを経験する場にもなりかねない。本研究での調査結果から、特に幼稚園から小学校への接続期には、幼稚園・小学校それぞれの場での援助・指導を踏まえたアプローチが求められ、家庭との連携が重要であると言える。 本研究を通して、幼稚園、小学校のいずれの教員も、共食時を食育の機会として有効に活用しているとは言い難いことが示唆された。共食が子どもの育ちにとって重要な経験であるなら、共食事への教員の配慮は必須であり、これまで以上に意識的にその中身や方法を検討する必要がある。
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