研究課題/領域番号 |
22530890
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
小谷 正登 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (80368456)
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研究分担者 |
岩崎 久志 流通科学大学, サービス産業学部, 教授 (40341010)
下村 明子 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (30310733)
三宅 靖子 太成学院大学, 看護学部, 講師 (90557422)
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キーワード | 生活臨床 / 生活病理 / 睡眠 / 自尊感情 / 学校教育 / 子ども |
研究概要 |
子どもの様々な問題行動発生の背景の一つに生活基盤の乱れ(生活病理)があるとし、睡眠を中心とした子ども(乳幼児~高校生)の生活基盤につながる生活全体のあり方を立て直すこと(生活臨床)が、様々な問題行動の予防的方策となることを実証的に明らかにし、学校現場および保護者などに対して生活の立て直しのための具体的な方策に関する提言を行うとともに実効性のあるプログラムを作成することを目的として、以下の二つの研究を行った。 (1)小学校における「睡眠健康教育の実践に関する調査・研究」の実施 睡眠健康教育を施す前後での小学生の心身(特に心の面)の状態を調査し、その結果を比較することで同教育の意義と効果を検討することを目的として、兵庫県内の公立小学校4校の生徒約1,400名を対象に睡眠の重要性を示した保健指導(授業)を実施した。さらに、保健指導実施前に1回目、実施後2週間の睡眠シートを使用した生活臨床の実行後に2回目、さらにその2ヶ月後に3回目の「睡眠・心身の状態に関する質問紙調査(三回とも同様の内容)」を行った。その結果、回を追う毎に自尊感情と学習意欲が高まり、ストレス度と抑うつ度が低下したことなどを基本的な分析によって明らかにした。そして、この基本的な分析結果をもとに「報告書」を作成し、調査協力校などに研究内容を公表した。 (2)小学校・中学校・高等学校における生活実態調査の結果の分析および公表 先行研究(挑戦的萌芽研究テーマ:生活病理・生活臨床に関する臨床教育学的調査研究 課題番号19653102)および昨年度の研究(基盤研究(C)テーマ:生活病理に抗するための生活臨床に関する実証的研究 課題番号22530890)の調査結果を詳細に分析・考察し、1編の論文(査読無)を執筆し、その研究経過をまとめ計5回の学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度計画の「小学校などのモデル校の児童を対象にした生活臨床の実践の意義と効果に関する調査・研究」に基づき、兵庫県内の公立小学校4校の生徒約1,400名を対象に睡眠健康教育の実践に関する調査・研究を行った。なお、同年度に実施予定であった「デンマークの児童・生徒の生活実態調査」については既に準備は整っているが、調査対象校の事情のため平成24年度に実施が延期となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に実施が延期となった「デンマークの児童・生徒の生活実態調査」については、調査対象校との連絡を一層密に行い、早急に調査・研究が行えるようにする。また、今後の研究計画である中学生を対象とした「睡眠健康教育の実践に関する調査・研究」に関しては、調査対象校との打ち合わせを十分行い、中学生の心身(特に心の面)の状態を調査し、その結果を比較することで同教育の意義と効果を詳細に検討・考察する予定である。
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