研究課題/領域番号 |
22530900
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
河合 久 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30214589)
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キーワード | 二重単位 / 質保証 / 高大接続 / 評価基準 / 大学 / コミュニティ・カレッジ |
研究概要 |
米国では、高校在籍中に大学の単位を取得できるConcurrent/Dual Enrollmentプログラムがあり、このプログラムの導入が近年急速に進んでいる。このプログラムのメリットは各方面から指摘されているが、どのようにこのプログラムの質を保証しているかを明らかにすることがこの研究の目的である。 文献研究では、この方面の権威者であるDr.David Conleyの著書College and Career ReadyではCollege Readyとはどのようなことを意味するのかを調べた。また、Concurrent/Dual Enrollmentプログラムの認定機関であるNACEPのAccreditation Guide(October 2011)を読み、NACEPでは高校で実施している大学レベルの教科内容の質をどのように保証しようとしているかを調べた。さらにNACEPが主催する研究発表大会での講演者や研究発表者の発表資料を調べ、米国の様々な州や地域でのConcurrent/Dual Enrollmentプログラム等の実状や取組方法について調べた。 訪問調査としては、カリフォルニア州のサンタモニカ・カレッジとサンタモニカ高校の高大接続プログラム、及びウエスト・ロサンゼルス・カレッジと周辺の高校との高大接続プログラムの実態についての調査を行った。高大接続プログラムには高校生がカレッジに出向きカレッジの授業を受ける場合と、カレッジの授業が高校で実施される場合があるが、それらをどう呼ぶかということについては全米で統一されているわけではないので注意が必要である。サンタモニカでは高校生がカレッジで授業を受けるプログラムをConcurrent Enrollment、高校でカレッジの授業を受けるプログラムをDual Enrollmentと呼んでいる。全米ではConcurrent/dual Enrollmentプログラムの導入が進んでいるが、サンタモニカでは不況の影響で、学費の安いコミュニティ・カレッジへの一般入学希望者が増えたことなどで、Concurrent Enrollmelltの選択肢が減ったり、Dual Enrollmentプログラムが縮小や廃止になったり、受講料が有料になったりしていて、必ずしもこのプログラムが優遇されているわけではないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NACEPの会議には日程が合わず出席できなかったが、会議での研究発表資料等が後日インターネットで公開されたので、資料に目を通すことができた。海外調査では、コミュニティ・カレッジや高校を訪問してプログラムの運営についての実態を知ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
・シアトルで開催されるNACEPの会議(10月)に出席し、全米でのConcurrent/Dual Enrollmentプログラムの動向を把握する。 ・Dr.David Conleyの著書を読み、College Readyとはどのようなことを意味するのかを調べる。 ・日本における高大接続に関する情報の収集と分析を行う
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