本研究は、以下3点を明らかにした。第1は、法人化以後、国立大学と社会を繋ぐ媒介組織やコンソーシアムが急速に誕生し、個人的関係から脱埋め込み化(組織化)が進行したこと。国立大学内部に多様な機能をもたされた附置センター群が設立に示されたこと。第2は、国立大学が低所得高学力層の受け皿になっていること。第3は、国立大学の教員供給機能は、立地する自治体における男女の賃金格差や自治体の財政力に大きく作用されていること。男女の賃金格差の是正が浸透するほど、教育学部は優秀な(女子)学生が入学しないジレンマである。
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