本研究で開発したポートフォリオを活用した小学校教員の「鑑識眼」育成プログラムの特質は以下の3点である。第一に、授業事後研究会をプログラムの中核に据えることによって、解釈の重層性を洗練させることである。第二に、メタ思考を促進するポートフォリオの特質を生かすことによって、若手教師の自覚的成長を促すことである。第三に、ポートフォリオを介在した対話場面の設定によって、熟達教師が共同的・相談的に若手教師の成長に関与することである。本研究で開発した「鑑識眼」育成プログラムの実施を通して、熟達教師の専門的力量が若手教師に意図的に継承されることが期待できる。
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