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2011 年度 実績報告書

「学校に行かない」子どもの教育権保障をめぐる教育臨床社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530928
研究機関大妻女子大学

研究代表者

酒井 朗  大妻女子大学, 教職総合支援センター, 教授 (90211929)

研究分担者 保坂 亨  千葉大学, 教育学部, 教授 (30173579)
木村 文香  江戸川大学, 社会学部, 講師 (70424083)
伊藤 茂樹  駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
小玉 重夫  東京大学, 教育学研究科, 教授 (40296760)
キーワード長期欠席 / 不登校 / 不就学 / 学校に行かない子ども / エクステンディッド・スクール
研究概要

本研究は、長期間にわたり学校に行かないでいる多様なタイプの子どもの問題を、教育権の保障という観点から統一的に捉えることで、日本の教育問題の理解に再考を迫るとともに、法制度や行政システムを批判的に検討するものである。
本年度はとくに高校中退問題に焦点を当てて4つの課題に取り組んだ。(1)国勢調査による、高卒学歴を持たない成人割合の算出、(2)在籍する高校を辞めていく生徒の推計、(3)中退後に転学先または編入先を得られた者に対するインタビュー調査、(4)進路多様校における進路変更(中途退学)の状況に関する担任教員に対する調査。理論的には、Furlong(1997)の指摘した移行過程の直線型/非直線型という枠組みや、後期近代における自己の軌跡という視点からのアプローチなどに基づいている。
このほか児童養護施設在籍児童の中卒後の進路動向、中卒非進学・非就職と家庭背景・長期欠席・学力の関係、高校における不登校から再登校への過程についての研究など、関連する各テーマについて分析を進めた。
また、これらの問題に対応するために学校の福祉的機能を強化していこうとするイギリスの拡張学校(エクステンディッド・スクール)の取り組みに学ぶために、同国マンチェスター市を訪問し、現地の学校視察を行った。
理論的な観点からは、アガンベンの議論を手がかりにして、今日の不登校・中退問題の理論的な含意を「難民化する子ども」という視点からとらえようとする議論を深化させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画では、(1)学校にいかない子どもの量的把握、(2)個別の事例収集、(3)福祉国家における教育の在り方についての政治思想上の検討、(4)対象となるリスク群の子どもの支援についての学校の取り組み、(5)リスク群の子どもの支援に関する諸外国の実践についての情報収集の5点を上げたが、それぞれについて研究が進展しており、様々な知見が見いだされているため。

今後の研究の推進方策

各テーマについてさらに分析を進め、後半では最終年度として研究のとりまとめを行う。各種の事例や課題を、学校に行かない子どもという枠組みから整理するとともに、理論的な観点から考察する。また、リスクへの対応について、国内の取り組みや国外の取り組みを紹介し、その可能性を論じたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 後期近代における高校中退問題の実相と課題-「学校に行かない子ども」問題としての分析-2012

    • 著者名/発表者名
      酒井朗、林明子
    • 雑誌名

      大妻女子大学家政系研究紀要

      巻: 48 ページ: 67-78

  • [学会発表] 学校に行かない子ども-「中等教育の連続性/非連続性」という観点から-2011

    • 著者名/発表者名
      保坂亨、堀下歩美、土岐玲奈
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] 高校中退者の「自己の軌跡」とリスク回避に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      酒井朗、林明子
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] 不登校・中退問題における「包摂・排除」論の位相2011

    • 著者名/発表者名
      小玉重夫
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2011-09-24

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公開日: 2013-06-26  

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