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2012 年度 実績報告書

学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 22530930
研究機関立教大学

研究代表者

北澤 毅  立教大学, 文学部, 教授 (10224958)

研究分担者 有本 真紀  立教大学, 文学部, 教授 (10251597)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード教育学 / 社会学 / 歴史社会学 / 個性調査 / 学校的社会化 / 児童 / 教師 / 児童虐待
研究概要

本年度は研究実施計画にもとづき、1.「現代における学校的社会化の実証的解明」2.「近代日本における『児童』概念の成立と変遷過程の解明」の2つのテーマへの接近を試みると同時に、3.研究成果報告書の作成を行った。
まず、1については、「学校的社会化」の現状を反映する問題のひとつとして、児童生徒の<いじめ自殺>をめぐる言説実践の実証研究を大津いじめ自殺事件を事例に試みた。本研究では、大津いじめ自殺事件を報じた新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど各種メディア情報を継続的に収集し、本件の初期報道の特徴に関する実証研究を蓄積しつつある。また、現地におもむき報道関係者や学校関係者にインタビューを行い、現場の声の収集にも着手した。次に、2については、明治・大正期に「児童虐待」を報じた新聞記事の収集・分析を継続して行い、近代日本における「児童」概念の成立過程と意味変遷に関する論文化を行った。
以上の2つのテーマから蓄積された研究は、3.研究成果報告書にまとめられている。本報告書は、「第1部 学校的社会化の現在」「第2部 学校的社会化の歴史」「第3部 『いじめ問題』の解読」から構成されている。第1部では、小学校で収集した映像データの分析から学校的社会化の諸相を論じた実証研究が収録されている。第2部では、明治・大正期に記録された個性調査簿及び学籍簿等の史資料から、当時の教師・児童概念および教師による児童理解の実践を明らかにした実証研究が収録されている。第3部では、2012年に再燃した「いじめ問題」をメディアの言説実践と教育現場における生徒指導との関連性を明らかにする論稿が収録されている。本報告書は、学校的社会化の現状と歴史を包括する論文集であり、<子ども>(=児童生徒)をめぐる今日的な「理解観」の問い直しを目指す本研究の基礎をなす成果と位置づけることができる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 1件) 図書 (10件)

  • [雑誌論文] 明治期における「児童虐待」の社会的構築2013

    • 著者名/発表者名
      高橋靖幸
    • 雑誌名

      子ども社会研究

      巻: 第19号 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 儀礼的行事と学校的社会化―学校儀礼の実証的記述をめざして2013

    • 著者名/発表者名
      間山広朗
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 67-77

  • [雑誌論文] 推論実行機械の使用にみる「1年生らしさ」の形成過程について2013

    • 著者名/発表者名
      小野奈生子
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 23-30

  • [雑誌論文] 保幼小接続における「白紙化実践」としての「学校的社会化」―「はじめての給食」の指導に見る保幼/小での教育理念と方法の転換2013

    • 著者名/発表者名
      矢島毅昌
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 15-22

  • [雑誌論文] 要請される「個性」と「理解」―児童生徒理解観の歴史性に着目して2013

    • 著者名/発表者名
      稲葉浩一
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 123-132

  • [雑誌論文] 児童虐待防止法にみる「教育の対象としての児童」2013

    • 著者名/発表者名
      高橋靖幸
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 93-100

  • [雑誌論文] 「教師の懲戒権」確立の前史―規則適用における裁量権付与の過程2013

    • 著者名/発表者名
      水谷智彦
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 79-92

  • [雑誌論文] 大津いじめ自殺事件報道にみる社会問題の構築研究の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      越川葉子
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 151-158

  • [雑誌論文] 生徒指導における教師の「いじめ」理解の構造―「出来事カテゴリー」への着目による分析2013

    • 著者名/発表者名
      山田鋭生
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 177-187

  • [雑誌論文] 誰が「自殺練習」を見たのか?―「大津いじめ自殺問題」解読のためのノート2012

    • 著者名/発表者名
      北澤毅
    • 雑誌名

      現代思想12月臨時増刊号

      巻: 第40巻16号 ページ: 135-141

  • [雑誌論文] 「教育と責任」の社会学序説―「因果関係と責任」問題の考察2012

    • 著者名/発表者名
      北澤毅
    • 雑誌名

      教育社会学研究

      巻: 第90集 ページ: 5-23

  • [雑誌論文] 授業における挙手をめぐる教師-児童間の相互行為―参与の仕方を中心に2012

    • 著者名/発表者名
      鶴田真紀
    • 雑誌名

      学校的社会化の現状と歴史に関する研究:<児童の成立>の解明に向けて

      巻: なし ページ: 31-43

  • [図書] 卒業式の歴史学2013

    • 著者名/発表者名
      有本真紀著
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      講談社
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究―2012

    • 著者名/発表者名
      北澤毅編
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 新しい時代の教育社会学 分担執筆:「厳罰化は何をもたらすか:デュルケム犯罪論を読む」2012

    • 著者名/発表者名
      北澤毅(加野芳正・越智康詞編著)
    • 総ページ数
      146-158
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「『感情の共同体』の創出:明治期における小学校卒業式の変容」2012

    • 著者名/発表者名
      有本真紀(北澤毅編)
    • 総ページ数
      158-188
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「微笑みあう涙:『発達』の原初形態としての泣きの記述」2012

    • 著者名/発表者名
      間山広朗(北澤毅編)
    • 総ページ数
      55-72
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「感情社会学の変遷と課題:社会・文化性の問い方をめぐって」2012

    • 著者名/発表者名
      小野奈生子(北澤毅編)
    • 総ページ数
      22-40
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「ことばの前の<泣き>:『泣き声』の意味づけをめぐる相互行為の分析」2012

    • 著者名/発表者名
      小野奈生子(北澤毅編)
    • 総ページ数
      73-88
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「しょうがい児が泣く:泣きとその記述をめぐる相互行為分析」2012

    • 著者名/発表者名
      鶴田真紀(北澤毅編)
    • 総ページ数
      89-107
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「『涙の共同体』としての『3年B組金八先生』:卒業式における『集合的な泣き』の分析」2012

    • 著者名/発表者名
      稲葉浩一(北澤毅編)
    • 総ページ数
      134-157
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 文化としての涙―感情経験の社会学的探究― 分担執筆:「『家族』になった『父』と『娘』:成員性の喪失と回復手続きとしての<泣き>」2012

    • 著者名/発表者名
      越川葉子(北澤毅編)
    • 総ページ数
      111-133
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2014-07-24  

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