研究課題/領域番号 |
22530932
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森本 豊富 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30230155)
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研究分担者 |
小嶋 茂 早稲田大学, 移民・エスニック文化研究所, 招聘研究員 (20466907)
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キーワード | 人口・移住研究 / 南北アメリカ / 多文化教育 |
研究概要 |
本研究の目的である移民研究の成果の教育現場での還元をより具体化するために、2年目にあたる22年度は、移民スゴロクの試作版の改訂と実験校での利用を主眼においた。この目的のために、広島市民局文化振興課、和歌山市民図書館移民資料室、沖縄県立公文書館で文献調査および素材としての写真撮影などを行った。また、昨年度末に作成した「移民すごろく ブラジル版-日本人ブラジル移住に関するクイズ 50問」について次の実験校での利用こついて相談した。 (1)ブラジル人学校エスコーラ・アレグリア・デ・サベール(浜松市)、(2)日伯学園(群馬県大泉町)、(3)潮田小学校(横浜市鶴見区)。(1)と(2)はブラジル人学校であり、(3)は南米ブランルにつながりをもつ児童が多く在籍する公立小学校である。いずれの学校においても、本研究の目的と趣旨を理解してもらい移民スゴロクの活用が快諾された。特に潮田小学校では、国際教室の2年生と3年生の授業を観察するとともに、担当教員と移民スゴロク利用の具体的な方法について検討した結果、既に作成した「ブラジル版」を簡易化し小学校低学年でも使用が可能なレベルに作り直すことになった。具体的には50問を15問におさえ、クイズの文章表現や内容も学年相応のレベルにあわせた。また、沖縄では、第5回世界のウチナーンチュ大会において沖縄NGOセンターの「レッツ・スタディー・ワールドウチナーンチュ」の一環として、移民スゴロク(世界のウチナーンチュ版)を実験的に使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移民スゴロクの作成のための文献調査や素材(特に写真)の入手、スゴロク版とクイズの作成とその改訂という点において、おおむね順調に進展している。今後は、教育現場の担当教員やスゴロクを実際に使用する生徒・児童たちからのフィードバックを受けて改良を重ねていく予定である。来年度は最終年度にあたるので、これらのことを計画的に実施していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成されている移民スゴロクは試作版であるので、最終的なスゴロク版はグラフィック・デザイナーによって、より魅力あるものに仕上げていく必要がある。また、小学生の低学年、中高学年、中学生、高校生と今後試作版を利用してもらう中で、それぞれのレベルにあわせた移民スゴロクを作成する必要がある。現場での利用を重ね、担当教員、生徒・児童とのやりとりの中からより充実したものを作成していきたい。今年度の研究の成果は、来年度4月末に予定されている国際日本文化研究センター(京都)での研究会「新大陸の日系人の歴史と文化」(細川周平代表)において発表することになっている。研究会でのコメントを参考に今後の研究に生かしていきたい。また、来年度5月以降に再度、潮田小学校を訪問し、簡略版を実際に使う予定である。
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