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2011 年度 実績報告書

大学全入時代に即した高校と大学の「教育接続モデル」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530933
研究機関東洋英和女学院大学

研究代表者

佐藤 智美  東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (80240076)

キーワードカナダ / オンタリオ州 / 大学進学 / 進路選択 / 高大接続
研究概要

平成23年度は、カナダ、オンタリオ州の教育省、ピール教育委員会、Ontario Institute for Studies in Education(OISE)、トロント大学のアドミッション・センター、マギル大学のアドミッション・センターを訪問し、資料・情報収集を行った。教育省では、現在の大学入学のための仕組み、政策について、また現在のような高校時代の成績が重視されるようになった経緯について聞き取りをした。さらに、教育省において、Ontario Young Apprentice Program(OYAP)に関する情報も得ることができた。ピール教育委員会では、主としてOYAPの実施と発展に関わる資料と情報を収集した。ピール教育委員会では、特に学業成績が不振になりがちな、あるいは落ちこぼれる危険性のある生徒を社会にうまく接続する道筋の1つとして、OYAPは重要な選択肢と見なされている。そのような生徒が職業生活を軌道に乗せた後、大学に進学するということもあり、高校と大学の間に職業をはさんだ大学への進学へのあり方となっていることが分かった。OISEでは、州による高校の卒業試験が廃止され、学業成績が大学進学を決定する要件になった経緯とその背景にあった議論について聞き取りを行った。トロント大学のアドミッション・センターとマギル大学のアドミッション・センターでは、入学者の選抜方法と大学生活について資料・情報を収集した。2つの大学はカナダのトップ大学にランクされる大学であり、前者はオンタリオ州、後者はケベック州にあり、志願の方法は異なるが、どちらも志願者の学力が最重要視されている。ケベック州では、セジェップという2年間の大学予備課程を経て、大学入学へ至ることが特徴的である。
高校での学業成績が大学への進学や進路選択を規定する高大の接続は、生徒の動機づけを高め、大学進学をはじめとする進路選択肢をより適正に見極める可能性と機会を提供している。このようなオンタリオ州の現状は日本の高校教育と高大接続に関して、示唆することは多いと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カナダ、オンタリオ州における調査による資料・情報収集は順調に進展しているが、入手した資料・情報は多量であり、現在までに十分に処理や整理が進んでいない。さらに、その中から新たに疑問が生じることも少なくなく、当初の計画に照らしてやや遅れていると判断している。

今後の研究の推進方策

今後は、現在までに順調に入手している資料・情報の分析や整理に時間をかけ、進めていく予定である。あらたに生じている疑問点や必要な情報に関しては、平成24年度に実施する予定となっている調査を通して、回答を得る。この調査は最終年度の調査であり、不足が生じないようにさらに入念な準備をする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] カナダ、オンタリオ州の中等学校にみる学校建設と生徒の進路選択2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤智美、山村滋
    • 雑誌名

      大学入試センター研究開発部リサーチノート

      巻: RN-11-02 ページ: 1-35

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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