研究課題/領域番号 |
22530944
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
吉田 剛 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (10431610)
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キーワード | 社会科 / 地理教育 / カリキュラム / 東アジア型 / 比較教育 |
研究概要 |
平成23年度研究計画は,主に香港の社会的背景や教育制度を踏まえ,香港中等地理カリキュラムなどを解明し,加えてシンガポール地理カリキュラムも追究し,華人系アジア型地理カリキュラムの特徴を欧米型と比較しながら,ナショナルシティズンシップ育成の側面にも着目し,検討することであった。主な結果は,次の3つである。①香港中学校地理カリキュラム2010年版について,我が国,米英,シンガポールなどと大まかに対比し,その枠組みを特徴をみると,地理的基本概念とナショナルシティズンシップ育成との関係では,各単元で地域的課題から多重な地域規模の事例地域を取り上げ,問題解決的な過程で主題的・系統地理的アプローチから地理的基本概念を中核にして考え,シティズンシップ育成に結び付ける筋道が描かれていた。②シンガポール中学校低学年地理シラバス2006年版では,「環境」の地理的基本概念が単元構成の主軸となり,その意味では単元内容そのものを意味する役割を担い,他国と異なる特異な意味付けとなっていた。その中学校地理シラバス2006年版における国家的課題の取り上げの意味に関連して,小学校社会科2006年版シラバスでは,基本概念を重視しながらも,人物の取り扱いがナショナルシティズンシップ育成に強く関わっていることが判明した。③イギリス,香港,シンガポール,我が国においてESDに関わる「持続発展」の地理的概念が顕著になっていることを踏まえ,試案となるが,我が国中学校社会科地理的分野を中心にその育成に関する検討とカリキュラム開発を行った。課題は,香港地理カリキュラムの詳細な分析と,中国地理カリキュラムの検討と他国比較が残された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響による。
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今後の研究の推進方策 |
研究の時間を増やしながら,合理的に進めていきたい。
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