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2011 年度 実績報告書

インフォーマルな音楽学習のフォーマルな教育機関への導入に関する先進的事例の調査

研究課題

研究課題/領域番号 22530945
研究機関明治学院大学

研究代表者

水戸 博道  明治学院大学, 心理学部, 教授 (60219681)

キーワード音楽教育 / インフォーマルな学習 / 口承法 / アイルランド伝統音楽 / インド音楽
研究概要

23年度は、アイルランド伝統音楽のワークショップとインド音楽の倍音唱法のワークショップに参加し、フォーマルな機関で行われるインフォーマルな音楽の学習方法を、参与観察を用いて調査した。調査データの分析の結果、参加した2つのワークショップでは、インフォーマルの学習の特徴である「豊かな音楽環境への`浸り'」「口承法の重視」「熟達者とのかかわり合い」の3つ点が、教育方法に色濃く反映されていることがわかった。たとえば、「豊かな音楽環境への浸り」は、アイルランド伝統音楽のワークショップにおいて、意識的に盛り込まれていることがわかった。アイルランド伝統音楽のワークショップでは、プログラムの中に、アイルランド伝統音楽が演奏されているパブへの見学ツアーが毎晩盛り込まれており、1週間のワークショップ期間中、ワークショップのセッション中だけでなく、さまざまな場面でアイルランドの伝統音楽に`浸る'機会が設定されていた。「口承法による学習」は、アイルランド音楽とインド音楽のワークショップの両方において重視されていることがわかった。この2つのワークショップでは、楽譜を用いた方が早く曲を覚えることが可能な学習者に対しても、口承による学習を徹底させていた。その結果、1週間という短いワークショップの期間中に、曲の記憶システムの変化を実感する参加者が多くみられた。「熟達者とのかかわり合い」は、アイルランド伝統音楽のワークショップの大きな特徴となっていた。アイルランド音楽のワークショップにおいては、レベルの異なる学習者が同じ場で学習することがほとんであったが、講師が学習者のレベルにあわせた教材を意図的用いないことから、自然発生的に熟達者と初心者のかかわり合いが生まれていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に行う海外での調査が1年遅れたため、データの分析と考察が遅れている。本年度までに行った観察データの分析はほぼ終了したが、研究成果を学会発表や論文等で発表するまでには至っていない。

今後の研究の推進方策

現在まで海外の事例を2件調査したが、データ分析の結果、さらに異なる事例の調査が必要となってきた。最終年度は、海外での調査は行わない予定であったが、追加で調査に出向くことを計画している。

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公開日: 2013-06-26  

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