本研究の目的は、民族音楽などインフォーマルな場で学習されている音楽を、小中学校や大学などのフォーマルな教育機関でどのように教えたらよいのかを明らかにすることである。インフォーマルな場で行われている音楽をフォーマルな教育機関に導入するための重要な課題の一つは、インフォーマルな音楽が持つ固有の学習方法を、いかにオリジナルに近い形でフォーマルな教育実践に導入するかである。このような課題に対してわが国の音楽教育は、その重要性を認識しているものの、実践面において未だ研究の途上にあるといえる。一方、海外においては、インフォーマルな場の音楽をフォーマルな教育機関で取り扱ってきた歴史が長く、先進的な事例も多い。本研究では、民族音楽などのインフォーマルな場で行われている音楽を、フォーマルな教育機関に導入している海外の先進的な事例を調査し、インフォーマルな場の音楽の学校教育への導入方法を検討した。
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