本研究の目的は、家族・家庭をつくるシティズンシップ教育の言語活動と実践構図を明らかにすることである。理論上の検討では、「私」と「公」の境界を疑うことによって、生活課題をミクロ、マクロな政治的な問題として捉えた。実践分析では、ディビソンのディスコース論を本研究の理論枠組みとして教師のポジショナリティを分析し実践構図を検討した。教師の役割は、活動と対話のフレームワークをつくることである。その学習過程は、第一次ディスコースと第二次ディスコースの相互作用であり、生徒がシティズンシップを身につける過程であった。第二次ディスコースを変容させ、教師のディスコースをも批判的に問い直すものである。
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