研究課題/領域番号 |
22530947
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
阿部 昇 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (80323129)
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キーワード | PISA「読解力」 / 全国学力・学習状況調査 / 評価 / 吟味 / 熟考 / NIE |
研究概要 |
本研究は、OECDのPISA「読解力」および全国学力・学習状況調査「国語B」の前提となっている国語(言語)学力観をそれぞれ分析・検討し、その理念・構造等を多角的に解明していくものである。 平成23年度は、平成22年度の研究成果を生かしながら、以下の3点を中心に研究を行った。 (1)秋田県検証改善委員会委員長として、全国学力・学習状況調査の秋田県の結果について、秋田県教育委員会の指導主事の方々と共同で分析・検討を行った。(その検討結果は、『平成2年度学校改善支援プラン』にまとめられた。)また、文部科学省委託研究「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」を、早稲田大学および福井大学の教員と行い、全国学力・学習状況調査の秋田県と福井県の特徴の比較・検討を行った。(その検討結果は、『文部科学省委託研究報告書』にまとめられた。)これらの検討と関わらせながら、PISAおよび全国学力・学習状況調査「国語B」の前提となる国語学力観の検討を進めた。 (2)阿部は、日本NIE学会と日本新聞協会との共同プロジェクト「情報読解力育成するNIEの教育的効果に関する実験・実証的研究」の国語部会の責任者をつとめている。そのプロジェクトを通じて、PISA「読解力」に対応するNIE授業モデルを提示し、全国の小中高の教師に実践してもらった。その研究成果をPISA「読解力」および全国学力・学習状況調査「国語B」の学力観(言語観)の検討に生かした。 (3)秋田大学附属小学校・附属中学校の教師、全国の小中高の教師とともに、OECDのPISA「読解力」および全国学力・学習状況調査「国語B」で重視されている文章・作品を評価・吟味(熟考)する力を育成するための教科内容研究、教育方法研究を進めた。それらを、研究紀要、著作としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OECDのPISA「読解力」および全国学力・学習状況調査「国語B」の前提となっている国語(言語)学力観の解明は概ね予定どおり進んでいる。また、特に吟味(評価・批判・批評)する力に関わる国語科の教科内容の系統的解明も、概ね予定どおりに進行している。同じく教育方法の解明についても、全国の小中高の教師の協力のもとに順調に展開している。また、秋田県検証改善委員会委員長としての研究、また日本NIE学会・日本新聞協会合同プロジェクト国語部会責任者としての研究、さらに文部科学省委託研究が、本研究と深く関わっており、予想以上の成果も出ている。ただし、海外の学力状況との比較・研究がやや遅れており、それを24年度に実現したい。
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今後の研究の推進方策 |
大筋では平成23年度までの研究成果を生かしながら、平成24年度で目的を完全に達成できるようにしていきたい。ただし、上記に記したとおり海外の学力状況との比較・研究がやや遅れており、それを平成24年度は実現したい。
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