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2011 年度 実績報告書

日本と英国の中等教育美術科における創造的カリキュラム

研究課題

研究課題/領域番号 22530951
研究機関筑波大学

研究代表者

直江 俊雄  筑波大学, 芸術系, 准教授 (10272212)

キーワード教育学 / 教科教育学 / 中等教育 / 美術 / カリキュラム
研究概要

1.英国の中等学校美術科におけるカリキュラム調査
英国中西部地域の中等学校美術科において実施したカリキュラムの編成動向に関する調査について、集計結果を報告書にまとめ、英国での回答者に配布した。集計結果について英国の研究協力者と意見交換し、また現地で協力が得られた5校の中等学校の訪問調査を行い、調査結果の解釈に必要な情報を収集した。1994年に同地域で実施した調査結果とも比較した上で、現在までのところ、以下のような点が明らかになっている。
(1)調査対象地域の中等学校美術科では、1994年調査当時よりも現在の方が、ナショナル・カリキュラムへの順応が一層進んでいること。
(2)ナショナル・カリキュラム美術・デザイン科(2007年イングランド版)についての回答者からの評価では、教育内容に関する教師の決定権の尊重や、教室における教育実践の重視などの項目で、1994年調査時よりも現在の方が顕著に改善していること。
(3)学校の教科カリキュラムに対するナショナル・カリキュラムの影響で最も顕著な観点は、1994年調査時から現在まで一貫して「知識と理解」の重視であり、知識の探究に裏付けられた表現の学習が、英国美術教育の堅固な基礎として定着したとする代表者の仮説がある面から裏付けられた。
(4)1994年調査時と現在を比較して最も明確な変化は、美術カリキュラムにおける「生徒の想像力」の復権である。この変化は、この間におけるナショナル・カリキュラムと学校カリキュラムとの関係の変化とともに、2007年版ナショナル・カリキュラムにおける「創造性」の重視などの要因が関係していると考えられる。
2.日本の中学校におけるカリキュラム調査
現職中学校教員の協力を得て、1991年調査時の内容を見直し、現在の状況に対応できる調査内容の作成を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英国における現地調査は、調査結果を英文報告書にまとめて協力者に提供できるところまで進展した。同報告書は現在、研究室ウェブサイト(http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~naoe/)においても公開している。日本におけるカリキュラム調査については、本調査の実施に向けて、調査対象の抽出、調査内容の確定、実施スケジュールの策定などの準備が進みつつある。

今後の研究の推進方策

1.英国における調査については、ナショナル・カリキュラム以外の要因に関する解明を進める。
2.日本における調査については、1991年に東京都を対象に行ったカリキュラムの編成動向に関する調査を発展・拡充させ、全国調査を実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 英国の中等学校における美術科ナショナル・カリキュラムへの対応イングランド中西部における調査(1994年・2010年)から2012

    • 著者名/発表者名
      直江俊雄
    • 雑誌名

      芸術研究報

      巻: 32 ページ: 71-82

    • 査読あり
  • [学会発表] 英国中等学校における美術カリキュラムの編成動向2012

    • 著者名/発表者名
      直江俊雄
    • 学会等名
      美術科教育学会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟県)
    • 年月日
      2012-03-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~naoe/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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