1. 英国(イングランド中西部)の中等学校美術科におけるカリキュラムの編成動向に関する調査結果をウェブ上に公開し、日英の研究者間等における情報交換を進めた(1.ナショナル・カリキュラムへの見解と影響、2. 中等教育一般証明試験への見解とキーステージ3への影響、3.批評学習、4.カリキュラムの適用、授業におけるアートライティング、全9ページ)。同調査結果からさらに、中等教育一般証明試験への見解とその影響、ならびに批評学習の実態について分析を進めた。 2. 日本の中学校におけるカリキュラムの編成動向に関する調査(全国調査 中学校美術科のカリキュラム創造力)を実施した。美術科のカリキュラムは教師の数だけ存在すると言え、多くはその実態が記録に残らない。この調査では、実際に行われたカリキュラムを、教師と生徒による創造活動の成果と位置付け、今この時代に行われつつある美術科教育の動向を全国規模で明らかにし、歴史に位置づけるものである。国内全中学校10701校を母集団標本とし、無作為に1200校を抽出(約11.2%)、質問紙法により、2012年5月から8月にかけて回答を収集した(227校回答)。また過去の同調査結果との対応のため、1991年調査で対象とした地域の学校(地区内全校221校)を全国調査とは別に調査した(29校回答)。調査内容は、平成23年度に実際に行った各学年における美術科の題材配列と教師の見解、美術科指導の実態、言語活動、教材の整備等である。全国の題材配列等、教師や研究者で共有できる調査結果をウェブ上に公開する準備を進めている。
|