研究概要 |
本年度は,証明のよみに焦点をあてたカリキュラムのデザインに関して,以下の2点について成果を得た。 ●証明のよみに焦点をあてた授業の中での学習の実態 中学校第3学年の円周角の定理を中心とした学習内容との関連に特化した証明のよみを検討した。また,この学習内容についての単元及び各授業を構想し,授業中の子どもたちの学習の様子をビデオ録画等し,基礎的な情報を収集した。その結果,生徒が,一つの典型的な状況とその状況下で構成した証明を基に,状況を変えて原証明を構成する際に立てた方針や証明を振り返る過程において,原証明はどんな事柄を証明していたのか,また新たに構成した証明はどんな事柄を証明しているのかなど,証明に対応している事柄をことばで表現する活動を自覚的に行うことが活動の継続性や累積性を促進するために重要であることが明らかになった。 ●証明のよみに焦点をあてたカリキュラムデザインのための枠組みのラフスケッチ 中学校に限定し,特に第2学年での文字を用いた説明についての学習に特化し,証明のよみに関わると考えられる項目をリストアップし,それらを階層化するための枠組みについて検討した。また,図形の内容との整合性の有無などについても検討した。
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今後の研究の推進方策 |
カリキュラムに基づく授業の実施とデータの収集・分析を行う。なお,カリキュラムの対象となるすべての授業り実施及び分析は,時間的にも困難であると予想されるため,より優先度の高い授業から順に単元の構成や教材の開発,授業の実施等を進める。 授業等のデータに基づきカリキュラムをデザインするための理論的枠組を修正する。
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