本年においては、富山県滑川市、同朋幼稚園において河川プラントから採取した「利用土」による子どもの造形遊びの展開について取材を積み重ねた。 まず、これらの土環境は、子どもが造形遊びを展開するうえで、恵まれた環境であるということが再度、確認された。 幼児は、「利用土」に適切な水分を加えることで、色の異なるジュース、コーヒーなどの飲み物に見立てたり、水分量を減らしてゲル状のカレーやシチュー、特にこの状態は子どもの感覚遊びにも展開される応用力のある土環境になっているといえる。水分量が、減るとさらにみられるのは「利用土」が粘性や可塑性を帯びてくる性質を利用した遊びが見られる。食物の遊びでは、お寿司やお団子などを作る遊び、また、お団子などは、それを積み上げたり、転がしたりする造形的な遊びへと展開していった。 粘性の高い状態では、それらの土は、モニュメントや生き物などの造形活動へと展開していった。 このように、「利用土」は一定の水分量を調整することで、多様な形態の変化を見せる利用度の高い環境であることがわかった。 同時に、浄水場において水道水をろ過した後に発生する「発生土」に関してもその素材押しての特性をさぐった。粒子分析においてはその粒子分布がこれまで「利用土」と同様の傾向があることが確認されており、その用途においてはどのような展開があるかを実践的に取材をした。現状においては、その中に含まれる、珪藻や残留凝集剤の処理を化学的にどのようにするかが課題と考えられるにいたった。
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