研究概要 |
本研究は,3Dアニメーション制作を教材として実施可能とすることを目的とした基礎研究である。 当初は,その具体的方法として,PBLとピア・サポートを導入した授業実践を一般化するためのシステム構築を目ざしたが,その研究の過程で,その方法の基本的性格をより効率的に活かし,本研究の目的の達成により近づく方法として「協同学習」の機能を取り入れることとした。 本年度は,協同学習の機能を活かすためにシステムの基本設計の見直しを行うとともにこれまでの研究成果を活かしてシステムを再構築し,当該のシステムを用いた小規模(学習者10名)の実験的教育実践活動を行い,下記に示す成果を得た。さらに,これらの成果を元に,平成25年度実施予定の中規模(学習者24名程度)の実験的教育実践活動に向けた基本的システム構築(必要なハードウエアの準備)を行った。 ・3DCGに限らず,生徒個々がコンピュータを用いる学習活動においては,協同学習に不可欠なグループ内での学習状況の共有が難しい。その問題の解決方法として,マルチモニタの有効な利用法を開発した。 ・協同学習の学習活動の履歴の記録方法として,天井カメラを用いる方法を開発した。 ・3DCG表現活動におけるモデリング技術の獲得を狙いとした協同学習活動を促進する指導法を開発した。 ・上記を総合して,実験的教育実践活動を実施した結果,効率的な指導として,期待以上の効果を得た。 これらの内容は,途中経過として,美術教育学(美術科教育学会誌)第33号に論文として投稿し掲載された。また,新潟大学で開催された第34回美術科教育学会全国大会にて,平成24年3月27に口頭にて発表した。
|