研究概要 |
研究課題名にある、<材料,場,情報などでの「あそび」体験>とは、造形活動における子どもの「原体験」「試行錯誤」「教科や領域を横断するような思考活動」などを象徴的に示した表現である。以下の研究課題を設定して,研究をすすめた。 <研究課題1 1965年頃から現在までの美術教育における「あそび」概念の変遷>先行研究や文科省著作を参照し,美術教育における「あそび」概念に関して,各研究機関からの文献収集・複写を行った。また,「あそび」体験を活用していると考えられる先行実践校を視察し、記録・整理した。このほか、国際比較の視点から,第33回InSEA国際美術教育学会ブタペスト大会において、海外共同研究者マリオ・ウアラス氏などと情報交換を行ない,研究を深めた。 <研究課題2「あそび」体験を活かすことにできる単元・題材の開発と実践・検証>小学校,中学校,高等学校の教師をメンバーとする研究協力者との研究会を定期的にもち、この場において,研究課題1に関する研究代表者からの報告と討議を行った。その中で,各協力者は,各勤務校の情報を交換し、先行実践を学んだ上で検討し,その上で,代表者からの素案を基に,<単元・題材>開発を進め,各勤務校での実践・検証の形をとった。一方,大学においては代表者が,<単元・題材>開発を進めるコンピュータ・システムを整備し,学習資料,教具を作成し,メンバーの各勤務校に配布した。特に「百鬼夜行絵巻」についての表現と鑑賞を繋げる「鑑賞あそび」などの<単元・題材>開発を進め,実践・検証をし,第34回美術科教育学会で発表した。 <研究課題3 美術教師教育プログラムへの展開>研究代表者は,これら課題1、2の成果をふまえ,課題3の素案をつくり、大学教育及び現職教員の研修会などで試行をし、第34回美術科教育学会で発表した。
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