研究概要 |
児童が予想や仮説,結論をもつためには,要因や規則性,関係などの推論をより明確なものにする必要があると考え,「実験,観察をすることによって得られる現象や数値などを予測させることによって,児童の推論を明確にしたり表現したりできるようにする。」「得られた結論を他の事象や条件に当てはめたときに起きる現象や数値を予測し,結論が適用できることを確認させることによって,推論を一般化した結論として確かにできるようにする。」という二つのねらいを達成するための教材と活動構成の工夫をし,第4学年「物の温まり方」で,温度が高くなっていく順番を予測し温まり方を推論する授業と,第6学年「てこの規則性」で,見いだした結論を未検証の条件に当てはめて数値を予測し検証する授業で実践を行った。 その結果,児童の要因や規則性,関係などの推論が明確になるようにしておかなければ予想や仮説,結論が形骸化されたものになってしまう恐れがあること,曖昧な推論による予想や仮説のまま観察,実験に進むのではなく,実験,観察をすることによって得られる現象や数値などを具体的に予測させることによって,児童の推論を明確にしたり表現したりできるようにすることが可能になること,また,限られた現象や条件で導いた結論は必ずしも本当の意味での結論として納得されているわけでなく,得られた結論を他の事象や条件に当てはめたときに起きる現象や数値を予測し,結論が適用できることを確認させることによって,一般化された要因や規則性,関係として納得できるようになること,などが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
児童の予想や仮説,結論と要因や規則性,関係などの推論との関係性について仮説的なねらいを立て,具体的な教材の開発や活動展開の工夫を行った実践を通して,その課題や成果を明らかにすることができた。
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