研究概要 |
授業・保育実践データの分析については,研究計画に基づき,幼稚園・保育所と小学校の4学年で同じ素材(梱包用に使用されている,デンプン由来の成分による発泡性緩衝材エコフォーム)を用いた造形の保育及び図工の授業実践を計画し実施した。さらに,研究協力者とともに,その授業・保育映像をもとに内容について検討し,幼・保と小学校の保育・授業の特性について仮説を導き出した。その成果については,実践報告という形式で,大阪児童美術研究会の研究発表会において報告した。 また,教師の意識調査に関しては,幼・保の保育者と小学校の教員に,同一の授業映像を視聴させてアンケートを実施するという手法で調・分析を行った。また,以前からの調査研究も含めて大学紀要にて「幼稚園と小学校の教師が持つ保育・授業観とその形成-幼小接続のための相互理解に向けて-」を報告した。 さらに,1年間の研究の総括として,研究内容に関連する基本的な考え方について,大阪児童美術研究会の研究紀要において「幼稚園と小学校の保育と授業をつなぐイメージの共有」を報告している。そのほか,これまでの研究の知見に加えて,本研究での成果を踏まえて,研究分担者が図書「新時代の保育双書保育内容表現」において「幼小連携の重要性」について紹介した。以上のような,多くの成果を得ることができた。 なお,学習指導要領をはじめとする,文献についての整理と,それに基づく仮説の提案については,他の取り組みを重点的に行ったため,十分に結論を導き出すには至っていない。
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