平成25年度の目的は,生徒がインターネット環境で回答できるように,ホームページ上に統計的リテラシーの評価システムを公開することであった。開発した評価システムは,問題と選択肢を提示し,生徒が適切であると判断した選択肢を選択するものであった。生徒の回答に対して評価システム上で正誤を判定し,なぜ正答なのか,誤答なのかについての理由を提示して,生徒の自主的な学習を促進できるようにした。具体的な研究実績は次のとおりである。 (1)統計的リテラシーの評価システムの公開:平成24年度までに,コンピュータで回答できる統計的リテラシーの評価システムを開発した。平成25年度は,研究代表者が,開発した評価システムをホームページ上に公開した。また,研究分担者が,中学校・高等学校の生徒の自主的な学習を促進する評価システムとしての利用可能性について検討した。研究協力者の学校においては,生徒にホームページ上で評価システムを動作させ,生徒の意見を聴取して改善をすすめた。 (2)統計的リテラシーの評価システム手引き書の作成:平成24年度までに,作成した評価問題に対して,多くの生徒に誤った判断をする傾向がみられることを明らかにした。平成25年度は,中学校・高等学校の教員が,評価システムを利用する際に参照できる手引き書を作成した。また,中学校・高等学校の教員が,評価システムと指導の一体化をすすめるための支援として,生徒の誤った判断を修正するための教授方略を提案した。提案した教授方略については,実験授業を通してその効果を検証した。 [研究協力者]荻原文弘:佐久長聖中学校・高等学校教諭,佐藤寿仁:岩手大学教育学部附属中学校教諭
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