研究概要 |
著者らは,「音声や音をドットコード化し,画像やテキストとともに編集し,カラープリンタを用いて普通紙に印刷する」ソフトウエア技術と,「印刷されたドットコードをなぞって,音声や音を取込んだそのままに再生する」ハードウエア技術を用いて,子どもたちや先生の「生の声」を用いて教材を作成し,これまでは不可能だった「新しい」教育実践活動に挑戦してきた。 今年度は,新学習指導要領のもとで始まる小学校の英語活動用の副読本(Hello Book 3)の制作と教育実践,地域に伝わる実話をもとに出版され,八王子市の小学校の平和教育の教材として用いられている「ランドセルをしょったじぞうさん」の英語と日本語による音読活動のための教材の制作と教育実践活動などに取組んだ。 また,これまで用いてきた「音声発音(再生)システム」では,音声を再生するのに,印字されたドットコードをサウンドリーダーという機器で真っ直ぐになぞることが必要なため,上肢に不自由な児童生徒や重い知的障害をもつ児童生徒は,学習に参加できないことが多かった。そこで,今年度は,印字されたドットコードに触れるだけで音声が再生される新しい音声ペン用の教材を制作し,実践に取組んだ。肢体不自由児の通う筑波大学附属桐が丘特別支援学校では,これまでドットコードを真っ直ぐになぞることができず,学習に参加できずに寂しい思いをしていた児童生徒が,この新しい音声ペンと教材を用いて学習に参加できるようになり,拍手喝采を浴びる事例も生まれた。 これらの成果をAACE主催のsite 2011に発表し,最優秀ポスター賞をいただいくことができた。
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