研究課題/領域番号 |
22531000
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
吉冨 芳正 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (60550845)
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研究分担者 |
田村 学 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00413906)
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キーワード | 生活科 / 新教科 / 教育課程 / 学習指導要領 / 低学年 |
研究概要 |
1.平成元年の小学校学習指導要領の改訂において新設された生活科の形成過程については、文部省の協力者会議資料その他から、およそ、(1)昭和59年7月の協力者会議発足までの「準備期」(仮称。以下同じ。)、(2)協力者会議発足から昭和61年7月の審議のまとめまでの「第一次検討期」、(3)教育課程審議会での検討から平成元年の学習指導要領改訂までの「第二次検討期」、(4)学習指導要領改訂以降の「実施準備・実施期」に区分することができる。生活科の理念等の形成過程をより鮮明に描く上で、それぞれ特徴をもった時期区分を明確にした意義は大きい。 2.「準備期」においては、文部省資料によれば、直接的には昭和40年代から小学校低学年の教育の在り方について検討が行われてきたことが明らかになった。これに加えて、インタビュー調査により、それらの検討の流れを理解するためには、戦前における小学校低学年の教育についての議論や実践に目を向けることの必要性が示唆された。関係事象を断片的に、あるいは短い期間でとらえるのではなく、歴史的な流れに位置付けることの重要性が明らかになった。 3.「第一次検討期」においては、それまでの審議会答申等の経緯、制度的変遷、合科的な指導や研究開発学校等での実践研究の蓄積、各方面の学識者の意見や研究成果、低学年における各教科の教育の状況、外国における低学年教育の状況などについて幅広く検討が行われた結果として、小学校低学年の教科構成を改め新教科・生活科(当時は仮称)の創設が提言されたことが明らかになった。教育課程を改善し新教科を設立するためには、関連する研究や教育実践、行政のあらゆる領域や分野について幅広い目配りと検討が必要であることを明確にしたことは、今後の教育課程改善にとって重要である。
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