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2011 年度 実績報告書

教師の教育観をベースとした教科横断型問題解決学習モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22531013
研究機関上越教育大学

研究代表者

久保田 善彦  上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (90432103)

研究分担者 池田 仁人  相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (70513175)
小林 辰至  上越教育大学, 教授 (90244186)
松沢 要一  上越教育大学, 教授 (10401788)
松井 千鶴子  上越教育大学, 准教授 (20401789)
キーワード教育学 / 教科教育学
研究概要

児童・生徒の問題解決能力の育成やそのための問題解決学習の実旛は,学校教育における喫緊の課題である。しかし,各教科の教師の持つ,問題解決学習観は異なり,お互いの理解も乏しい。そこで本研究の第一の目的は,各教科の教師の持つ問題解決学習観とその異同を明らかにすることである。第二の目的は,第一の成果から,教科横断型問題解決学習モデルを構築することである。本研究の特徴の一つは,文献だけでなく,教育現場の教師からモデルを構築である。また,概念モデルのみでなく,教科内容を念頭に置いた,プロセスや発問を示すことで,教師の指針となりえるモデルを構築する。
教師の問題解決学習観の底辺には,先人の示した問題解決論・問題解決学習論がある。この論に,各教科の特性や歴史的経験などが加味されることで,現在の問題解決学習観ができあがっていると考える。ただし,上記に示したように問題解決学習観の連携は少ない。そこで,その異同を明らかにした上で,教科横断型問題解決学習モデルを構築することを本研究の目的とする。また,本研究の特徴として,文献だけでなく,教育現場からモデルを構築することにある。研究は(1)問題解決論の整理,(2)各教科の問題解決学習観の把握,(3)教科横断型モデルの構築の3つのステージで構成する。
(1)問題解決論の整理:デューイ,パース,川喜多二郎などの問題解決および問題解決学習論を教科との関連の視点から分析した。
(2)各教科の問題解決観:生活科,総合的な学習ではPAC分析から,教師の問題解決観を明らかにした。数学では,教師の教材観との関連から問題解決観を検討した。理科は,問題解決における統計リテラシーの必要性を明らかにした。
(3)モデルの構築:平成24年度に検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分析方法や対象教科の変更はあった。しかし,進行状況は,計画に概ね変更はない。

今後の研究の推進方策

本研究は,各教科の問題解決観の異同を明らかにし,そこから教科横断型問題解決学習モデルを構築することである。研究は,(1)問題解決論の整理,(2)各教科の問題解決学習観の把握,(3)教科横断型問題解決学習モデルの構築の3つのステージからなる。本年度は,(2)と(3)のステージを中心に行う。
(2)各教科の問題解決観の把握
・生活科・総合的な学習の時間を専門とする教師へのPAC分析から得られたデータを考察する。PAC分析は,少数の標本に対しインタビューによる質的分析と質問紙による量的分析を共におこなう手法である。この分析から,教師の問題解決観の変容について,教職歴,研修歴,テーマの履歴等との関連も含めながら分析を進める。これらの作業を通して,分析手法の見直しを行い,実施することで新たなデータを取得する。
・KJ法を応用したワークショップ形式のインタビュー調査を実施した。分析の手法を検討し,考察を進める。
・授業場面の観察から理科授業における数学的思考とそれを使った問題解決の必要性が導き出された。本年度は,統計的推論の観点から理科の問題解決を分析する。
(3)横断型モデルの構築
(2)ステージでの分析をもとに,教科間の関連を総合的に考察する。また,教師の職能成長の観点からの考察も試みる。成果は,複数回の学会発表および論文の投稿により発表する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 「理想的な測定値」を自由に参照できる環境下において生徒はどのような学びを展開するのか2012

    • 著者名/発表者名
      神崎弘範, 西川純, 久保田善彦
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 52(3) ページ: 55-66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プロセス・スキルズの観点からみた観察・実験等の類型化2011

    • 著者名/発表者名
      吉山泰樹, 小林辰至
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 52(1) ページ: 107-119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 理科教育における生命倫理のあり方とその意義2011

    • 著者名/発表者名
      岩間淳子, 松原静郎, 小林辰至
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 52(2) ページ: 23-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プロセス・スキルズの観点からみた観察・実験等の類型化(2)2011

    • 著者名/発表者名
      吉山泰樹, 小松武史, 稲田結美, 小林辰至
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 52(3) ページ: 179-190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生の粒子モデルの理解に関する実践的研究2011

    • 著者名/発表者名
      峯崎正樹, 久保田善彦, 小林秀夫
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 52(2) ページ: 123-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学校1年生「水溶液」における粒子モデルの活用2011

    • 著者名/発表者名
      峯崎正樹, 久保田善彦, 小林秀夫
    • 雑誌名

      臨床教科教育学会誌

      巻: 11(2) ページ: 89-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 数学的活動を生かした指導を充実するための「数学」の新しい教科書の活用2011

    • 著者名/発表者名
      松沢要一
    • 雑誌名

      教育時評

      巻: 23 ページ: 16-19

  • [学会発表] 実験数値の比較と誤差認識の関連について2012

    • 著者名/発表者名
      植木幸広, 久保田善彦
    • 学会等名
      臨床教科教育学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2012-01-07
  • [学会発表] 音を可視化することで管楽器の音の出る仕組みを探究する学習2012

    • 著者名/発表者名
      澤栗賢一, 久保田善彦, 濁川朋也
    • 学会等名
      CSTシンポジウム福井大会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-01-07
  • [学会発表] 関与と実感の視座から開発した数学教材の有効性の検証2012

    • 著者名/発表者名
      松沢要一
    • 学会等名
      臨床教科教育学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2012-01-07
  • [学会発表] 5年生「振り子の運動」における仮説設定に影響された思い込み2011

    • 著者名/発表者名
      櫨木幸広, 久保田善彦
    • 学会等名
      日本科学教育研究会
    • 発表場所
      上越教育大学
    • 年月日
      2011-06-11

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公開日: 2013-06-26  

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