研究課題/領域番号 |
22531015
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
迎 勝彦 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (50303194)
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キーワード | 教材開発 / 国語科教育 / 話し合い活動 / 授業研究 / 学校現場との連携 / メタ認知的な意識及び思考 |
研究概要 |
本年度は、中学校国語科における「話し合い活動」を対象としたメタ認知的な意識や思考活動の具体を明らかにするためのツール(ワークシート)を開発することを目的として研究を進めた。前年度に行った理論的枠組みの構築をさらに進めながら、とくに検証授業の構想と実施、及びそのデータベース化を行っている。本年度の具体的な研究実績については以下の通り。 1,学習ツールの理論的枠組みづくり及び「メタ認知的な意識及び思考」の抽出・分析システムの構築に向けた検討前年度に行った研究をさらに進め、学習ツールの理論的枠組みづくり、これと連動した学習者の実態調査・分析の方法について検討を加えた。 2,検証授業の構想と実施 「話し合い活動」を組織した学習指導を実施するために、中学校教師及び小学校教師との連携を図りながら実験・実証授業を構想し実施した。なお、当初の計画では小学校高学年児童を対象とした検証も視野に入れていたが、学校側・小学校教諭側の都合により計画に変更を加え、中学校での検証のみとした。協力者である小学校教諭には「メタ認知的な意識及び思考」を抽出するための分析手法の開発について協力を得ながら、研究体制を再構築した。 3,授業記録のデータベース化 (1)学習者および授業者の発話プロトコルの作成と内観報告(ワークシート・質問紙への記述・回答、インタビュー記録等)の収録を目的としたデータ収集を行った。 (2)収集した授業記録をデータベース化した。資料整理及びデータベースへの入力の作業については、入力補助員(学部学生及び大学院生)が行った。次年度は、ここで得たデータに基づき分析・考察を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度に3回の検証授業(中学校2回、小学校1回)を予定していたが、小学校での検証授業が協力者の都合で年度途中に行うことができなくなった。これは、本研究が年度途中の採択であったことに起因する。本来は別の協力者にお願いすることになっていたのであるが、正式な依頼を平成22年11月以降に行ったために、所属小学校側の意向で叶わなかった。23年度の研究もこれと連動して、計画・内容に変更が生じ、中学校のみで検証を行うこととしたため、実質的な進行に遅れが生じてしまうこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
中学校で行った実験・実証授業の内容を基に研究を進める。可能であれば、小学校で予定していた授業に代替して中学校での実験・実証授業を再度行うべきであるが、協力者である中学校教諭及び中学校側の都合により平成24年度には授業を実施することができない。このため、平成23年度に実施し収録した授業(全2回)の内容を対象としてデータ分析を行うこととする。また、本研究では、「メタ認知的な意識及び思考」を抽出するための分析手法の開発も行うため、これについては先行研究をふまえながら、平成23年度に収録した授業のデータを帰納的に整理しつつ、中学生の実態に即した分析手法の開発を行うようにしたい。分析手法の開発にあたっては、小学校側の研究協力者との研究体制を再度検討し直した。
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