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2010 年度 実績報告書

価値に基づいて判断し行動する力を育成する道徳教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22531024
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 由美子  広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40206545)

キーワード教育学 / 道徳教育 / 価値教育 / 教育プログラム / 道徳の読み物教材 / 価値内容
研究概要

本年度は,オーストラリアの価値教育を参考にして,日本の子どもたちの価値についてのイメージを明確にすることと,道徳教育用の読み物教材に含まれている価値内容を明確にすることを目的とした。また,道徳教育プログラム開発のための予備的な研究授業を行った。結果は以下の通りである。
1)小学4年生から中学3年生までの各学年,大学生,大人を対象に,価値のイメージについての調査を自由記述で行った結果,共通するイメージとして,家族,生命,友達,愛情,努力などがあげられることが明らかになった。これは今まで明らかにされていなかったことである。
2)道徳教育用の読み物教材に含まれる価値内容の分類を行った結果,小中学校に共通する価値内容として取り上げられているのは,自制,努力,生命尊重,礼儀正しさ,思いやり,友情・信頼,家族愛,学校愛の8個だということが明らかになった。共通する価値内容が8個であるのに対し,学校で教えられる内容項目は,学年が上がるにつれて15-23項目に増加する。そのため,教えるべき価値内容が充分浸透していないことが示唆された。1)の結果と合わせて見ると,生きる上で必要とされる価値内容と,学校で習う価値内容との相違が見られる。ここから,学校で習う価値内容の再構築が必要であることが明らかになった。これは道徳教育において新しい指摘である。
3)複数の価値内容を含んだ同じ教材による道徳授業を,小学校5・6年生,中学2年生を対象として行った結果,同じ教材でも学年によって学び取る価値内容が異なることがわかった。ここから年齢に応じた教材の開発が必要だということが明らかになった。
今後の課題として,子どもから大人までの価値についてのイメージを明らかにし,その年齢的変容に応じて価値内容を構造化すること,それに基づいて教材を開発し,道徳教育プログラムを作成することがあげられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 道徳的価値に気づかせるための伝記教材の開発2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木由美子・宮里智恵, 他7名
    • 雑誌名

      広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要

      巻: 第39号(印刷中)

  • [雑誌論文] 道徳授業用の読み物教材に含まれる価値項目の分析2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木由美子・永瀬美帆, 他7名
    • 雑誌名

      学習開発学研究

      巻: 第4号(印刷中)

  • [学会発表] 規範性をはぐくむための教材・活動プログラムの開発と効果の検討2010

    • 著者名/発表者名
      森川敦子, 鈴木由美子
    • 学会等名
      日本道徳教育学会第76回大会
    • 発表場所
      大谷大学
    • 年月日
      2010-11-21
  • [学会発表] Method of Fostering an Awareness of the Value of Social Justice Based on Humanitarianism- Focused on Practical Morality Lessons in High Schools2010

    • 著者名/発表者名
      Yumiko Suzuki, Atsuko Morikawa, Tomoe Miyasato, et al.
    • 学会等名
      WCCI 14^<th> World Conference in Education, 3^<rd> Biennial World Conference
    • 発表場所
      ペーチ(ハンガリー国)
    • 年月日
      2010-07-14

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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