研究課題/領域番号 |
22531024
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鈴木 由美子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40206545)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教育学 / 道徳教育 / 価値教育 / 教育プログラム / 価値観 / 国際比較 |
研究概要 |
平成24年度は、ふたつのことを行った。ひとつは、平成23年度の調査によって明らかになった「生命尊重」の価値が日本独自のものであるかどうかを明らかにするために、オーストラリアとの比較研究を行った。もうひとつは、「生命尊重」の価値観を育成する道徳教育プログラムを作成し、小学校高学年と中学生で実践と効果検証を行った。 まず、「生命尊重」が日本独自の価値観であることを明らかにするための研究であるが、平成23年度に行ったアンケート調査から、「生命尊重」「平和」「思いやり」などの10項目が共通の価値として多く選択された。「生命尊重」について、日本の歴史や風土から育成された価値観であることなどについて、IFS(国際フレーベル学会)で招待講演を行った。さらに、オーストラリアで選択された9個の価値と比較して、「生命尊重」の価値観は日本独自のものであることを明らかにした。この結果については、WCCI(世界教育課程・教育方法学会)で口頭発表し、他国の研究者から高い評価を得、フィリピンで開催される国際会議に講演者として招待された。 次に、「生命尊重」の価値観を育成する道徳教育プログラムの実践であるが、研究協力者に依頼し、道徳教育プログラムを策定した。平成23年度の調査から、「生命尊重」の価値観が、小学校高学年から中学生の時期に構造的変容をすることが示唆されたので、小学校高学年と中学生とをつなぐ道徳教育プログラムを作成した。道徳教育プログラムを実施する前後でアンケート調査を行うとともに、道徳授業内でワークシート調査を行い、「生命尊重」の価値観が育成されたかどうかを検証した。「生命尊重」の価値観の尺度として、研究代表者がすでに開発している「自尊感情」「自己効力感」「共感」「向社会性」の4項目の4件法を用いて、調査を行った。調査の結果は現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の予定であった日本独自の価値観の明確化ができたこと、国際学会で高い評価を得たこと、道徳教育プログラムの策定と実践も行ったことから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度策定した道徳教育プログラムの効果検証を行い、「生命尊重」の価値に基づいて判断する子どもを育成するための道徳教育プログラムを確定する。「生命尊重」以外に上位にランクされた「思いやり」「平和」などの教材も、「生命尊重」の道徳教育プログラムと同様の方法で作成し、道徳教育プログラムを策定する。これらの教材集、道徳教育プログラム集を広く教育実践に活用してもらうために、ホームページを作成し公表する。
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