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2011 年度 実績報告書

地域教材開発力のある教員の養成方略の創造-ESD授業開発を通して-

研究課題

研究課題/領域番号 22531025
研究機関香川大学

研究代表者

伊藤 裕康  香川大学, 教育学部, 教授 (70279074)

研究分担者 伊藤 貴啓  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10223158)
高田 準一郎  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80454289)
キーワード地域教材開発力 / 副読本開発 / 物語り / ESD授業開発 / 副読本開発経験 / フィールドワーク / 教員の養成方略 / 教師のナラティブ能力
研究概要

教員養成での野外調査実習は,地域事象を把握する技能の育成に終始し技能を活かしたカリキュラム開発力の育成は視野にない。2006年度より実施するフィールドワークの成果を踏まえた院生による副読本開発を試みは,地域教材開発力養成に効果があった。だが,多大な労力を要し,他の養成機関で行いうるシステム化もできていない。本研究は,ESD授業開発と関連させた副読本開発を試み,その易行化を図る中で得た知見から,地域教材開発力養成のシステム化を図ることを最終の目的とする。2011年度は,大学院生による社会科副読本(ESD用地域副読本)づくりを主な目的として研究を開始した。2011年度の研究実績は以下の通りである。
1.社会科副読本(ESD用地域副読本)開発経験を持つ教職者の省察を日本教育大学協会研究集会で発表した。副読本開発経験が地域教材開発力の形成に資すること,教員養成方略として副読本開発の有効性が改めて明らかとなった。
2.小学校社会科用副読本の作成・利用状況の分析結果を日本地理教育学会等で発表した。副読本は地域教科としての利用度が高かった。作成側は「学習活動の展開の参考にする」よう求めるが,地域観察を十分させられないために副読本を読んで話し合う利用側の国語科的社会科の問題が明らかとなった。広域合併との関わりでは,作成側が子どもに新市町村への愛着や一体感を持たせることを編集方針とし,利用側もこの点を広域合併に関わる最大の問題とするが,教員自ら合併他市町村へ出かけて学ぶ姿勢の無さが問題として挙げられた。
3.2の問題は,地域教材開発力の形成に関わる問題である。そこで,1の成果も踏まえ,香川大学と愛知教育大学の大学院生による協同の社会科副読本(ESD用地域副読本『水・土・里のパイオニア』)づくりを行った。
4.研究初年度である2010年度に得た「カリキュラムや授業をナラティブとして創り出す」という地域教材及びカリキュラム開発手法に関わる知見をより深めるため,従来の「物語り」を活用した授業実践を検討し,授業で「物語り」を活用する際の基礎的知見を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

岐阜聖徳大学の大学院生の参加が叶わなかったが,2011年度の主な目的であった大学院生による社会科副読本(ESD用地域副読本)づくりを完了することができたことで,おおむね順調に進展し七いると考えている。

今後の研究の推進方策

1.2006年度から開発している大学院生による副読本開発のプロセスを分析し,どのような地域調査技法が必要となるか明らかにする。
2.1で明らかにした技法を活用して,どのように副読本が開発されていったか明らかにする。
3,大学院生を指導して2011年度開発した副読本を活用した授業開発を行い,研究協力校で授業実践を試みる。
4.3の授業実践の逐語記録を作成し,授業分析を行い,大学院生による副読本開発の効果を検証する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 小学校社会科における地域事象の教材化と教師の力量形成(I)-地域農業学習の授業実践分析から-2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤貴啓
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告

      巻: 61 ページ: 191-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学部教員と附属学校園教員とのCT授業(Collaborated Teaching)によるESD授業の開発(1)2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 雑誌名

      香川大学教育実践総合研究

      巻: 第23号 ページ: 119-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学部教員と附属学校園教員とのCT授業(Collaborated Teaching)によるESD授業の開発(2)2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 雑誌名

      香川大学教育実践総合研究

      巻: 第23号 ページ: 133-144

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「物語(り)」としての「伝統」-社会科地理学習における伝統の扱い方-2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 雑誌名

      社会科教育研究

      巻: 114 ページ: 77-90

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「物語り」を活用した授業づくり2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 雑誌名

      香川大学教育実践総合研究

      巻: 第23号 ページ: 101-114

  • [学会発表] 地形図読解に関わる地域教材の開発-災害地名と災害景観に着目した防災教育としての授業モデルの構築に向けて-2012

    • 著者名/発表者名
      高田準一郎
    • 学会等名
      地理教育懇話会(地理科学学会部会)
    • 発表場所
      広島大学附属中・高等学校
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] 教員養成課程における地域教材開発力育成の試み-大学院生による社会科副読本作成を通して-2012

    • 著者名/発表者名
      小野晃伸・情水康行・伊藤貴啓
    • 学会等名
      教科開発学研究発表会
    • 発表場所
      愛知教育大学
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 関わりの場で育つ社会科教員の教師力-第59回シンポジウムまでとその後-2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 学会等名
      日本社会科教育学会第61回大会課題研究
    • 発表場所
      北海道教育大学札幌校
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] 愛知県三河地方における小学校社会科副読本の利用とその変化2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貴啓, 小野晃伸, 清水康行, 安藤麻奈人, 遠藤由紀, 包朝格吉楽
    • 学会等名
      日本地理教育学会
    • 発表場所
      秋田大学
    • 年月日
      20110800
  • [学会発表] 社会科副読本(ESD用地域副読本)作成経験者の省察からみた教員の力量形成と教員養成カリキュラムの課題2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 学会等名
      平成23年度日本教育大学協会研究集会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 愛知県における小学校社会科副読本の作成・利用状況からみた教員の力量形成と教員養成カリキュラムの課題2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤貴啓・小野晃伸・清水康行・安藤麻奈人・遠藤由紀・包朝格吉楽
    • 学会等名
      日本教育大学協会研究集会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 大学生・大学院生のフィールドワークによるESD地域副読本の開発2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康
    • 学会等名
      全国地理教育学会岡山例会シンポジウム
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2011-08-20
  • [図書] 地理教育・社会科教育の理論と実践2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤裕康(山口幸男)
    • 総ページ数
      21-31
    • 出版者
      古今書院
  • [図書] 地理ESD授業ガイド2012

    • 著者名/発表者名
      高田準一郎(中山修一)
    • 総ページ数
      55-56,66-69
    • 出版者
      啓文社

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公開日: 2013-06-26  

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