研究課題/領域番号 |
22531025
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
伊藤 裕康 香川大学, 教育学部, 教授 (70279074)
|
研究分担者 |
伊藤 貴啓 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10223158)
高田 準一郎 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80454289)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 地域教材開発力 / ESD用副読本開発 / 物語り / ESD授業開発 / 副読本開発経験 / フィールドワーク / 教師のナラティブ的能力 / 教科教育と教科専門の架橋による教員の養成 |
研究概要 |
教員養成での野外調査実習には、地域事象を把握する技能の育成に終始し技能を活かしたカリキュラム開発力の育成は視野ない。2006年度より実施するフィールドワークの成果をふまえた院生による副読本開発活動は、地域教材開発力養成に効果があった。だが、多大な労力を要し、他の養成機関で行い得るシステム化もできていない。本研究は、 ESD 授業開発と関連させた副読本開発を試み、その易行化を図る中で知見から、地域教材開発力養成のシステム化を図ることを最終の目的とする。2012年度の研究実績は以下の通りである。 1.2011年度に開発したESD用地域副読本を活用し、学部生及び大学院生による授業開発を行った。その際2010年度に得られた「カリキュラムや授業をナラテイブとして創り出す」という知見を活用し、筋のある授業になるよう開発に努めた。また、院生の授業については、授業分析の資料となるよう逐語記録を作成した。 2.教科教育と教科専門の架橋の視点から本研究活動の省察し、日本教科学会準備大会にて発表した。大学院生によるESD用地域副読本開発活動が教科教育と教科専門との連携によるプロジェクト学習となるうること、本活動が教員養成の高度化や教員養成の修士レベル化に少なからず寄与できる試みであることを確認できた。 3.2013年度が最終年度となることから、2013年2月に開催された社会系教科教育学会にて、3年間を総括する「授業開発力のある教員の養成方略の開発に関わる試み」の発表を行った。本試みは、地理の有用性と教員養成に求められるフィールドワークが実施できることなどに、参加者から賛同をいただいた。課題として、副読本開発経験者のライフヒストリー的研究の必要性が挙げられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学院生の支援を受けながらの開発した副読本を活用した学部生の授業実践、開発した副読本を活用した大学院生の授業開発とその授業実践の逐語記録までは作成することができたことから、おおむね順調に進展していると考えている。大学院生の副読本開発のプロセスを分析し、どのような力量が必要となり、その力量がどのように形成され、その力量が教職に就いてからどのように活かされているかを明らかにするという課題も明確になった。
|
今後の研究の推進方策 |
① 研究最終年度の2013年度は、2006年度から試みてきた大学院生による副読本開発活動を検証し、この開発にともなってどのな力量が必要となり、その力量がどのに形成され、その力量がどう教職に就いてから活かされたか、ライフヒストリー的手法も用いながら明らかにする。 ② ①の成果を踏まえつつ、研究協力者である大学院生が副読本を活用した授業開発を行い、研究協力校で授業実践を試みる。 ③ ①と②の成果をふまえ、可能な範囲で学部生による副読本開発を試みる。 ④ ③の学部生による副読本開発活動の過程を分析して得られた知見から、①の成果を補足修正して副読本開発による力量形成の過程を明らかにし、関連学会で発表する。 ⑤ 研究成果と課題を研究報告書としてまとめる。
|