研究課題/領域番号 |
22531026
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
白松 賢 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10299331)
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キーワード | 食育 / 特別活動 / カリキュラム開発 / 効果測定 / フェアトレード / ライフデザイン / 問題解決能力 |
研究概要 |
平成23年度は研究計画に従い、下記、3点を実施した。第一は、効果測定尺度の精緻化である。「ライフデザイン力」「ライフスタイル内省力」「問題解決能力」に関するアウトプットの効果測定尺度を再検討し、精緻化した。ドキュメント分析や調査結果を8月までに再分析し、問題解決能力に与える効果を明らかにし、日本特別活動学会第20回大会で報告を行った。この効果分析から、特別活動への指向性の高い児童ほど、プログラムが問題解決能力に与える影響の高さを明らかにした。この成果を踏まえ、効果測定尺度を精緻化・改善した。第二はフェアトレード・アプローチ/コミュニティベースド・アプローチの実践と効果測定である。平成22年度に開発した視聴覚教材化・教育プログラムをさらに発展・充実させ、実施・分析・改善を行った。特にイギリスのフェアトレード商品に関する調査を実施し、チョコレートを題材とした「フード・チェーン(食べ物の絆)」の実践プログラム化を行った。このプログラムを用いて、小学校5-6年生(学校2校)を対象に、実施・分析を行った。この効果測定の結果は、『愛媛大学教育総合実践センター紀要』等にて成果報告を行った。第三は「ライフデザイン力」を核とする特別活動と食育の関連化実践と分析である。「ライフデザイン力」を核とする特別活動と食育の関連化実践を研究協力者(小学校教員)とともに実施し、ドキュメント法による分析の可能性を検討した。年間を通じて、特別活動の「ライフデザイン力」育成に関するドキュメント資料化を進め、データの蓄積を行った(小学校1校)。 また小学校1校、及び中学校4校で、人間関係づくりとヘルスプロモーションアプローチを融合した実践を行い、「ライフスタイル内省力」を育成するための実践改善のポイントをドキュメント資料から考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度(研究2カ年目)の計画では、効果測定尺度の精緻化・改善、フェアトレード・アプローチの教材開発と効果測定、ライフデザイン力に着目した特別活動の実践分析の3つの柱を計画に従って遂行し、問題解決能力の育成に寄与するプログラム開発を成果として明らかにし、特別活動学会等で報告を行った。また3カ年の研究計画を遂行する上で、次年度(最終年度)の成果報告のための調査データ及びドキュメント資料を蓄積することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度蓄積した効果測定のデータやドキュメント資料を中心として、詳細な分析を行い、日本子ども社会学会や日本特別活動学会で成果報告を行うとともに、今年度も継続して、プログラム開発や教材開発を行い、平成23年度までの成果とともに、比較分析を遂行する。それらの成果から、効果的な教材やプログラム等を、愛媛県内の指導的役割にある教員を中心に配付する。
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