本研究では、小学生の「ライフデザイン力」を育成する特別活動実践プログラムを中核としたクロスカリキュラム型食育プログラムの開発と効果測定を行った。本年度は主として3つのサブテーマを遂行した。第一に、平成22年~23年度までのプログラム開発の過程で蓄積したデータ及びトランスクリプト資料をもとにドキュメント分析や効果測定を行い、効果性の高いフェアトレード・アプローチのプログラム開発・改善を行った。このプログラムや効果測定について、日本特別活動学会第21回大会及びThe Second International Conference of Sociology of Education Peking University等の国内外の学会で成果報告を行った。第二は、平成24年度に開発・改善した食育プログラムの実施前と実施後に、「ライフデザイン力」「ライフスタイル内省力」「問題解決能力」の3尺度への効果をトライアンギュレート法によって測定した。とりわけ現代的教育内容の関連性に着目して「隣接領域」のインフュージョン/インテグレーション教材開発・改善を実施して効果測定を行った結果、特別活動と関連化させたプログラムに「問題解決能力」への効果、総合的な学習の時間と関連化させたプログラムには「キャリアデザイン力」への効果が期待できることを明らかにした。この成果はコミュにティベースド・アプローチの食育プログラムとの比較を用いて『愛媛大学教育実践総合センター紀要』にて報告を行っている。第三は、フェアトレード・アプローチの食育視聴覚教材を中核にコミュニティベースド・アプローチの教材を含め、海外の給食との比較や海外の食育教材の特性との違いなどを教材化し、愛媛県教育委員会食育指導事例集(平成25年2月)を通して、愛媛県内の食育・健康教育の指導者に配付を行った。
|