本研究の目的は、教養として物理学を学習する医療系の初年次学生向けに、双方向教育として注目されるクリッカーを用いたPeer Instruction用の学習教材を開発し、物理学の概念重視型の選択的問題の作成および動画やシミュレーションソフトの作成を行うことである。この遂行にあたり、平成22年度の初頭において、必要不可欠なクリッカーの導入を行った。これは学生との双方向性を確保し、解答や意見集約に用いるのに有用なツールである。また、概念取得のためのCG作成のために、高性能なノートPCの導入を行い、教材開発の足場を固めた。 本年度の計画にしたがい、このような物品を整えたのち、各種資料収集や学生からの質問の分析などを通して、年度後半より、物理非専門学生向けに無理のない範囲で自然科学の基礎が学べるような年間計画の策定を行ってきた。また、これと並行して、クリッカー端末が納入されてのちには、クイズ形式の講義(Peer Instruction)にスタイルを変更し、非物理系で特に医療系の初年次用の物理教育教材として、どのような題材が可能なのか検討を行ってきた。 平成22年度においては、いくつか試行的な問題を作成し、実際の講義にて学生の反応を見ながら、微調整を行い次年度以降の課題の整理を行ってきた。また、機器の導入当初はいくつかのトラブルが生じたため、その対処法の取りまとめなども行ってきており、現状は問題なく稼働できる状態になっている。 本研究課題の性格上、教材開発を行うため、初年度には課題の検討や年間計画策定に費やされたため、特に今年度は成果発表のようなことは行っていない。
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