本研究では、教養として物理学を学習する医療系の初年次学生向けに、双方向教育として注目されるクリッカーを用いたPeer Instruction用の学習教材を開発し、物理学の概念重視型の選択的問題の作成および動画やシミュレーションソフトの作成を行い、その効果などを検証することを目的としている。 24年度では、これまで人体に関する力学的な問題や、電磁気学的な影響などの学習教材を作成してきたことをふまえ、学生の数量的な概念形成の助けのために、人体の各種数量や医療機器で使われる電磁気的な数値などを題材としたものを作成してきた。これらの成果物や、学生の誤認識やつまづくポイントなどを整理したものを出版物の形で広く公開を行った。 また、年度初めに試験を行い、あらかじめ高校物理の既履修と未履修のクラス分けを行った2つのクラスに対して、年度初めの試験結果と年度末の成績との相関などを調べることで、本課題における教材が成績に及ぼす影響について検証を行った。この結果、わずかながらも成績のかさ上げ効果を見出すことができた。
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