研究課題/領域番号 |
22531030
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
齋藤 百枝美 帝京大学, 薬学部, 准教授 (70439561)
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研究分担者 |
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30110703)
渡邊 真知子 帝京大学, 薬学部, 教授 (30338694)
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キーワード | 薬学 / 精神疾患 / カリキュラム / 心理教育 / コミュニケーション / 服薬自己管理モジュール |
研究概要 |
薬学6年制では、チーム医療の担い手として高度な専門性を持つ薬剤師の養成が求められている。しかし、精神科領域については、薬学教育モデル・コアカリキュラムにおいてもわずかな記載にとどまり、実務実習も組み込まれていない。本研究では、精神疾患の正確な症状や治療法の知識の習得のためのカリキュラムを作成することを目的とした。このため、2009年4月から薬学部5年生に対し、精神疾患の基礎、バーチャルハルシネーション(統合失調症の幻聴の疑似体験ができるソフト)体験、薬物療法、薬物療法の評価方法(DVDを利用)、副作用の評価方法、認知行動療法に基づく服薬自己管理モジュールなどの90分10コマのカリキュラムを構築した。現在、これらのカリキュラム実施により学生の精神疾患への偏見・差別の意識の変容が図れたか、また、服薬指導に対する不安の解消につながったか調査中である。さらに、病院実務実習では、バーチャルセデーション(抗精神病薬による副作用の鎮静を体験できるソフト)の体験により過鎮静の状態を学生が実感することで、抗精神病薬による副作用のモニタリングや服薬指導にこの体験が活かされることを報告した。また、依存症の一つであるニコチン依存症を調査するために、薬学生の社会的ニコチン依存度や喫煙状況を調査し報告した。さらに、認知行動療法と動機付け面接法を用いた専門性の高い禁煙指導のカリキュラムを構築した。 以上、高度の専門性をもって精神科チーム医療へ参画できる薬剤師の養成は社会的意義が極めて高いものである。
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