研究課題/領域番号 |
22531031
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
岩田 遵子 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (80269521)
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キーワード | 舞台空間 / ノリ / 見る-見られる / 儀礼的コミュニケーション |
研究概要 |
教師と子ども間の演劇的コミュニケーションの意義を探るために、幼稚園と小学校においてフィールドワークを行い、教師-子ども間の日常生活における儀礼的コミュニケーションの抽出・分類を昨年に引き続いて継続したと共に、今年度は特に小学校におけるクラスの劇活動場面のフィールドワークを中心に行い、エスノグラフィーの手法によって分析、考察を行った。現段階での考察は下記のものである。1)教室は「舞台空間」として捉えられるが、そう捉えるとき、授業内にの劇活動場面(劇の練習等)は、学級という「舞台空間」における劇活動の「舞台空間」という入れ子構造として捉えられる。2)劇活動の「舞台空間」において、役者(劇の役割を演じる子ども)の演技は、観客と役者の「見る-見られる」関係が成立し、そこにおけるノリの共有度が高ければ高いほど、良い演技(軛になりきる)が可能となる。3)劇活動の「舞台空間」における観客と役者の「見る-見られる」関係が成立するには、学級活動の「舞台空間」における「役者」(「教師」「生徒」という役者)同士、あるいはその「演技」を見ている「観客」と「役者」との間のノリの共有が日常的に深められていることが必要である。4)3)のためには、日常の学級活動及び授業活動における儀礼的コミュニケーションが充分に展開されていることが有効である。5)教室を舞台空間ととらえることは、幼稚園でも同様であり、子どもが遊びを一定の時間展開するためには、保育者と子ども、子どもたち相互の間で、「見る-見られる」関係が成立していることが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールドワークによるデータ収集が順調に進んでいるが、分析と考察がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集した多量の映像データの分析と考察を進めると同時に、フィールド対象幼稚園を1園増加し、幼稚園における儀礼的コミュニケーション及び劇活動についてデータ収集と分析考察を進める必要がある。
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