研究課題/領域番号 |
22531035
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
白井 靖敏 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (20267925)
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研究分担者 |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 教授 (80150217)
鷲尾 敦 高田短期大学, オフィス人材育成学科, 教授 (30259379)
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キーワード | 教育学 / 教科教育学 / 教科外教育 / グループ学習 / ファシリテーター / ICT |
研究概要 |
これまでに実施した調査(本研究対象としている本学の学生に対する高校までに経験してきたグループ学習の状況や学習の仕方)の結果、協調性やコミュニケーションの力は付いたものの、学習内容が深まらない、多様な学びへと発展しないことが多いこと、そして、実践研究では、リーダーやファシリテーターの役割についての重要性や仕事内容は認識できていても、ファシリテーターが存在するグループ学習を過去に経験したことがないため、リーダーがファシリテーターの仕事も担い負担が増した。また、具体的なファシリテーターのやり方が分からず戸惑ったケースもあったため、平成23年度では、(1)グループ学習の効果を高めるための教育プログラム(ファシリテーター育成のための体験型学習)を実践した。これらの実践結果から、想定していたほど、リーダーの負担感は軽減しなかったものの、グループ学習における学習効果を大きくするファシリテーターの役割が重要なことが、実践事後調査等から明らかになったとともに、学生個々の学習の深まりが見られた。ただし、一斉型の講義と異なるこうした学習成果について、学生個々の成績評価が正しく行えたかに関しては、客観的な指標が明確でなかった。この点を24年度での実践研究のなかで解決を図っていく。また、(2)課題制作型授業においては、ファシリテーターとリーダーの役割を明確にしたグループ討議とファシリテーターを設定しないグループ討議の比較調査をした。ファシリテーターを置くことで、リーダーとファシリテーターともに負担感があるが、討議への参加度が高く、役割の理解が進んだ。役割を担うことでグループ討議への参加意識の高まりが見られた。リーダーやファシリテーターが機能しているグループは、討議の満足度が高く、参加度が良い結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度で実施したグループ学習における学生アンケート調査結果、そして、23年度に実施した教育プログラム(ファシリテーター育成のための体験型学習)などから得られた結果の整理がおおむね順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度までの計画として、おおむね順調に進んでいるので、これまでの研究成果、および、明らかになった課題を検証しつつ、最終年度の「まとめ」を行う。平成23年度に実践研究を行った結果、グループ学習における学習効果を大きくするファシリテーターの役割は大きいことが、実践事後調査等から明らかになったが、一斉型の講義と異なるこうした学習成果について、学生個々の成績評価における客観的な指標が明確でなかった。この点を24年度での実践研究のなかで考察し、本教育プログラムの開発に活かしていく。また、課題制作型授業においては、特に「満足度」という指標について検討を進め、学習の深化を図る指標について研究を進める。
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