研究課題/領域番号 |
22531036
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
山本 敏郎 日本福祉大学, 子ども発達学部, 教授 (00166810)
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研究分担者 |
照本 祥敬 中京大学, 国際教養学部, 教授 (10227530)
福田 敦志 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10325136)
高橋 英児 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40324173)
鈴木 庸裕 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70226538)
藤井 啓之 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70253044)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 子どもの貧困 / 新しい公共 / 中3勉強会 / 教育と福祉の共同 |
研究概要 |
相模原市の「若者すだち支援事業(中3勉強会・進路相談)」への見学を、8月と2月に行った。また2月には同事業と並行して進められているピース(若者自立支援のためのたまり場)の見学を行った。 2011年度は、中3勉強会のスタッフへの聞き取りが中心であったが、2012年度は、相模原市南福祉事務所の担当課長、ケースワーカーによるレクチャー(事業の成立の経緯、ケースワーカーの仕事、子ども・市民への周知・勧誘、NPOとの連携方法、ボランティアスタッフの募集等々)をうけ、聞き取りを行った。 特筆されるのは、同様の事業が多くの自治体で行われているが、その多くがNPOやボランティア団体への「丸投げ」に近いものであるのにたいし、相模原市の事業は、相模原市当局が公的な責任をもってあたっている点である。この点に官民共同と「新しい公共」の積極的な面があると考えられる。 ドイツ調査では、9月に高橋がバーテン・ビュルテンベルグ州(キスレッグ市他)、2月に藤井、福田がバイエルン州(エアランゲン市、ニュルンベルク市)およびザクセン州(ライプツィヒ市)にて、子どもの貧困問題の現状と学校教育の取り組みなどについて関係機関(市役所、学校など)やスクールソーシャルワーカーに聞き取り調査を行った。 そのほか、生活指導関係の研究会に参加し、貧困を抱える子どもたちにたいする学校教師たちの支援にかんする報告を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定して地域への聞き取りが、相手方の人事異動などのよって実現できなかったが、おおむね順調に進展している。 本研究は、子どもの貧困にたいしていかなる教育的な視点からサポートが必要かを明らかにするものであるが、中学校における教師のアプローチ、自治体とNPO/ボランティアの共同についての調査検討、ドイツにおける同様の事業の調査を計画通りに行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2013年はこれまでの研究成果をまとめて学会発表をする予定である。 1.相模原市、町田市、小田原市における中学校教師の実践をとおして、貧困状態にある児童・生徒にたいする学校での支援のあり方を検討する。 2.相模原市における若者すだち事業をとりあげ、NPOとの連携のあり方や、ボランティアの組織方法、ケースワーカーや自治体の役割について検討する。 3.ドイツにおける貧困状態にある児童・生徒への指導・支援について、そのシステムや学校の指導体制を明らかにし、日本における貧困対策との比較を行う。 これらについて、日本教育学会、日本教育方法学会、日本生活指導学会等で報告を行う予定である。
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