1 研究初年度にあたる本年は、4年間を見通しての社会系のメディア・オーケストレーション教材の開発の基盤構築と試案作成を目標として、主要設備であるCPを購入し、ハード面でのシステム構築とそれらへの習熟に努めた。 2 新しいOSならびにソフトを導入し、それら自体のこの研究への親和性を高めることから開始した。また、画像関連機器、音声関連機器など、メディア・オーケストレーション教材作成のための必要機器や関連ソフトに関する検討を行い、統合的なシステム環境を構築することを構想した。 3 教材内容設計にあたっては、日本の社会系の教科書・教材、教材ソフトのみならず、本年度は、特に、仏国のそれらを参考に、この種のメディア・シンセシス教材を開発する際のマニュアルを同時に開発できるよう留意している。 4 教材開発の内容として必要な資料のうち、日本で収集できないものについては、当該国での研究代表者による収集が、著作権フリーな画像・映像・音声などについて必要不可欠とされることから次期教材に想定している外国及び日本の世界遺産/生活文化について、事前・事後の研究の上に実施された。当該国に関してメディア・オーケストレーション教材に統合しうる可能性を有する関連資料を大韓民国の世界文化遺産や生活文化について、また、江戸時代の生活文化遺産について調査し資料収集を実施した。 5 最初に完成予定のメディア・オーケストレーション教材(ドイツの世界遺産/生活文化)は、児童・生徒に極めて親和性を感じるインターフェイスの設計も課題として取り組んだ。メディア・オーケストレーション電子教科書のモデルを複数作成し、検討を行い、部分的な教材作成の準備に着手した。中間的成果は、平成23年に、学会発表または論文発表を予定している。
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