研究課題/領域番号 |
22531041
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研究機関 | 園田学園女子大学 |
研究代表者 |
林 照子 園田学園女子大学, 健康科学部, 准教授 (30434921)
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研究分担者 |
岡田 加奈子 千葉大学, 教育学部, 教授 (10224007)
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30296545)
鹿野 裕美 宮城大学, 看護学部, 准教授 (40510631)
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キーワード | 教育学 / 養護教育 / ケースメソッド / 健康教育 / 養護教諭 / 教育実践力 |
研究概要 |
本研究は、子どもの健康課題に対応するための実践力の向上を目指し、養護教諭に対するケースメソッド教育プログラムを開発し評価することを目的としている。 H23年度は、「養護実践力」をキーワードに、ケースメソッド教育プログラムの構成を検討した。方法は、近畿圏現職養護教諭を対象として研究者が講師として企画した「ケースメソッド学習会」に登録した、指導的立場の養護教諭(以下、熟練養護教諭)6名、実務経験の少ない養護助教諭・養護教諭(以下、初任者)20名に対し、継続研修を実施した(平成23年9月~平成24年2月)。前年度に開発されたケース教材の中から「発達過程にある子どもの理解」を教育目的としたプログラム構成した。研修はすべて同意を得て記録、参加者による事後評価(アンケート調査)、熟練養護教諭にグループインタビュー調査を行った。さらに、ケースメソッド専門家にコース全体の評価を依頼した。結果、同地域の熟練養護教諭と初任者の混合グループでは「議論の展開」が難しく、初任者だけの同質キャリア集団でのケース討論では養護実践に対する「議論の深化」に課題が残った。ケースメソッド講師の討論の運営スキルのみならず、研修構造の工夫の必要性が認められた。そこで、他の専門分野のケースメソッド指導者セミナーにて情報収集を行い、そこから「2段討論形式」を取り入れることとした。「2段討論形式」とは、初任者(または初任者ケースメソッド講師)の討論が終了したのち、熟練養護教諭(または熟練ケースメソッド講師)の討論を実施する方法である。その結果、討論の深化とともに、討論過程に対する熟練養護教諭による振りかえり(フィードバック)と養護実践に関する発言が、参加者全体の研修満足度のみならず、「学びの共同体」づくりを促進することが認められた。今後、養護実践プログラム評価尺度として検討される必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災後、研究分担者の負担軽減と連携に支障が発生し、調査・打ち合わせ等の実施遅延等、年度内の研究計画の変更が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の本年度(H23年度)の成果を踏まえつつ、最終年度にあわせて研究成果の発表を推進したい。
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