「体感型読書」とは、「音声言語を主とする従来の語り手に対して、音楽・映像等の情報を加味し多様な表現活動を保障すること」と、「受動的になりがちな聞き手に対して、物語の再創造の保障と聞き手同士の関わりを活性化すること」の両面が成立する双方向の読書活動である。本研究では、3年に及ぶ多岐にわたる実践データの整理・分析により、読書体験という観点からの分析を試みた。プログラム実施後のアンケート調査等によって、「音楽・映像等の情報を加味し多様な表現活動を保障すること」と「聞き手同士の関わりを活性化すること」の有効性を確認することができた。このことから、音楽等を含む多様なコンテンツによる情報提供と、ボディパーカッション等の参加行為を絵本の世界に重ね合わせていくという能動的・活動的な絵本体験によって、子どもの内面世界となる絵本の世界、作品世界の広がりを確認することができた。
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