研究課題/領域番号 |
22531047
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
藤平 敦 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (60462157)
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キーワード | 個別支援 / 別室指導 / 学級不適応 / 教育指導プログラム / ゼロトレランス |
研究概要 |
近年、日本では、学級不適応等により別室指導を取り入れている学校が少なくない。しかし、一時的な避難やクールダウン的な目的以外に、中長期的な視野に立って継続して別室指導をしていくためには、人員不足や指導プログラムの欠如などにより、そのシステムが必ずしも機能しているとは言い難い。 本研究は、欧米諸国の公教育現場で積極的に活用されている「オルタナティブルーム」の日本化の可能性を探るとともに、主要課題を明らかにすることを目的とする。このことは、今後の日本の生徒指導にとって意義深いものである。 平成23年度の研究では、オルタナティブルームでの教育指導を重視し、成果を上げてきていると言われている米国ワシントン州オリンピア市の教育プログラムについて、その効果面と課題を追跡調査した。 また、日本国内において、別室指導で効果を上げている学校等についても、そのシステム及びプログラムに関する調査を行い、その効果面を分類できた。 平成23年度の調査から、日米の別室指導で効果を上げている学校の共通点のひとつに、生徒の基礎学力充実及び学習意欲向上のための働きかけが欠かせないことが挙げられる。このことは具体的なシステム及び指導プログラムの素案を作成するうえで大いに示唆を得られるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度に米国ワシントン州オリンピア市内の学校訪問を計画していたが、研究協力者の人事異動等により、訪問による聞き取り調査等を延期せざるを得なかった。米国の調査については、電子媒体で入手したデータのみで継続しているため、システムの試案作成にまで至っていない状況である。ただし、日本国内の実践については、概ね、計画どおりに進められている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)平成22年~23年度の2年間で得られたデータを踏まえて、効果面と課題を整理し、別室指導で必要な視点を整理する。 (2)(1)を踏まえて、オルタナティブルームのシステム及び指導プログラムの試案を作成する。 (3)(2)の試案を、国内の実践協力校で活用してもらう。同時に、米国ワシントン州オリンピア市内での実践校への訪問調査を踏まえ、試案の修正を試みる。 (4)(1)~(3)を踏まえて、「日本版オルタナティブルーム」のシステムと指導プログラム案を作成する。
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