弱視児童・生徒が視覚補助具を主体的に活用できるようにするためには、科学的エビデンスだけでなくそのエビデンスを受け入れることが大事である。そのためには、視覚補助具を主体的・積極的に選択・活用できるリテラシーを育てるためのピアサポートシステムの構築をも目的としてこの3年間研究を進めてきた。 昨年度は、3年間にわたって行なった成人弱視者90人弱の補助具使用に関する調査結果を分析し検討をも行った。その結果に基づいて、調査協力していた成人弱視者にも参加いただき、この3月に研究成果の報告会を開催した。 そこで報告した概要は、①弱視レンズやCCTV等の補助具を活用しつつ、拡大コピーでも対応している。②弱視児用の拡大教科書の活用経験者は20歳代の若い弱視者に多く、今後は普及が進んでいくことがうかがえる。③書見台や斜面机の活用は画一的に行うのではなく、対象者や活用場面をよく検討する必要がある。④視力が学生の時よりも悪くなった弱視者には、補助具の機器選びに適切なサポートが必要であることが推察された。⑤よりよい補助具の選択と活用方法の指導のためにサポートシステムが必要と思われた。
|