研究概要 |
2010年7月に、全国視覚特別支援学校70校(含2分校)に在籍する児童生徒に対して視覚障害原因等の質問紙調査を実施し、3,375人の回答を得た。2005年以降、視覚特別支援学校は1校減少し、在籍児童生徒は371人減少した。重複障害児童生徒の割合は増加している。視覚障害原因は先天素因(51.4%)、未熟児網膜症(18.7%)、原因不明(12.7%)、全身病(8.1%)、腫瘍(6.0%)、外傷(2.3%)、感染症(1.3%)の順に多い。眼疾患の部位では、網膜疾患(50.1%)、眼球全体(20.8%)、視神経視路疾患(15.7%)、硝子体疾患(3.8%)の順であった。網膜疾患と視神経視路疾患、硝子体疾患が増加し、眼球全体や水晶体疾患は減少している。在籍児童生徒の1/3は普通文字使用が難しい0.01未満であった。小学部以上の文字使用者は2,542人(81.5%)で、重複障害等により文字指導が困難なものは348人(11.2%)であった。点字使用者が781人で減少傾向が続き、普通文字使用者は増加している。視覚補助具使用者は1,461人(43.3%)であった。同時期に実施した弱視特別支援学級設置小学校・中学校を対象とした同様の調査では、小学校155校と中学校48校の児童241人と生徒57人より回答を得た。視力0.01未満が24人(8.0%)でその割合が増加する一方、0.01以上0.1未満の割合が減少傾向にあった。視覚障害原因は先天素因(55.4%)、未熟児網膜症(21.5%)、原因不明(11.7%)、腫瘍(6.0%)、全身病(4.0%)、感染症(1.0%)、外傷(0.3%)の順であった。部位別には網膜疾患(41.3%)、眼球全体(26.9%)、視神経視路疾患(10.1%)、水晶体疾患(8.5%)の順に多い。重複障害は小学校で82人(34.0%)、中学校で20人(35.1%)在籍した。
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