研究課題/領域番号 |
22531059
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研究機関 | 高崎健康福祉大学短期大学部 |
研究代表者 |
松田 直 高崎健康福祉大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (60099942)
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研究分担者 |
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 准教授 (50323324)
吉野 浩之 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60438637)
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80364735)
上田 征三 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (50309639)
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キーワード | 特別支援学校 / キャリア教育 / 大学の資源 / 就労支援 / 就労定着プログラム |
研究概要 |
(1)群馬大学教育学部附属特別支援学校高等部を卒業して教育学部のあるキャンパスの生協食堂に3年間の期限付きで雇用された聾重複障害者に対して、学生のジョブコーチを配置し、就労定着を目指して支援を継続的に実施した。対象者の作業内容は、生協食堂内外の清掃であった。その経過は、毎月の「重度障害者の就労促進を目指す研究開発プロジェクト」のミーティングで検討し、ジョブコーチの支援の仕方や職場環境の改善を繰り返し試みた。参加者は、科研の代表者・研究分担者、附属特別支援学校教員(副校長、進路指導主事、研究主任他)、生協専務、学生ジョブコーチ(大学院生、学部生)、社会福祉法人施設長(就労継続支援、就労移行支援)等であった。1年間の取り組みを通して、対象者の作業自体の効率は向上したが、ジョブコーチ不在の場面では作業の低下が顕著になるという傾向は改善困難であった。なお、対象者は平成24年4月からは福祉就労に移ることになった。 (2)群馬大学教育学部附属特別支援学校高等部の生徒に対して、ビルメンテナンス作業(廊下、階段、窓等の清掃)を試行する機会を提供した。その結果、作業の手順、ビルメンテナンス用器具の使い方、姿勢保持や足の運び方、器具の収納、作業の意欲など、多くの点で顕著な成果がみられた。この学習が、他の作業場面や現場実習にどのように発展的につながるか、キャリア教育の視点から検討を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
聾重複障害者が学内の生協食堂で清掃作業に従事するに当たり、具体的にどのような支援をすればよいか、学生ジョブコーチを配置して実践研究を実施し、就労定着に必要な条件を検討することができた。また、特別支援学校の高等部の生徒にビルメンテナンス作業を試行する機会を提供し、在学中から卒業後に向けて就労に必要な条件を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)上記の聾重複障害者が高等部在学中にどのような進路の学習をしたか、また、生協食堂に就労してからの1年間にどのような支援が行われたかを総合的に把握する。 (2)ビルメンテナンス作業の試行を継続し、現場実習や他の作業との関連をさらに明らかにする。 (3)附属特別支援学校の卒業生の就労定着状況を調査し、就労定着を支えている条件を整理する。 (4)特別支援学校におけるキャリア教育と卒後の就労定着に必要な条件を集約する。
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