研究課題/領域番号 |
22531061
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
名越 斉子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30436331)
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キーワード | 社会適応スキル / アセスメント / 支援 / 発達障害 / 知的障害 / タイプ |
研究概要 |
1.社会適応類型の決定 本研究では、「社会適応能力検査」の結果に基づいて、特別な教育的ニーズのある子どもの社会適応の類型モデルを作成し、各類型の特徴や支援のポイントを明らかにすることを第1の目的としている。22年度までの検討を踏まえ、知的障害の有無×自閉症の有無の4類型を基本に、内的・外的問題行動に対する配慮度を加味した8類型に決定した。配慮度を見るためのチェックリストの作成を行った。 2.社会適応支援プログラムの開発 本研究の第2の目的は、社会適応支援プログラムを開発し、「社会適応能力検査」を用いた実態把握から目標や課題の設定、支援後の評価に基づく改善(PDCAサイクル)を促進する『社会適応支援パッケージ』を完成させることにある。 (1)支援パッケージ第1版の作成 本年度とくに力を入れたのは、先行研究や専門機関および特別支援学校における実践を調査し、社会適応支援のステップと方法の整理と体系化である。社会適応検査の4スキル(言語、日常生活、社会生活、対人関係)に設定されている下位領域や下位領域を構成する項目レベルにおける課題の細分化を行うとともに、それぞれの細かいステップにおける支援上の留意点、具体的な教材などを示し、支援パッケージ第1版を完成させた。 (2)支援パッケージの適用 大学及び特別支援学校において、各類型の子どもに支援パッケージの適用を開始し、第1回目のフォローアップ調査を終え、データの分析にあたっている。また、支援効果を見るための対照群のデータ収集も終了し、同じく解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
支援パッケージの作成は計画以上に進展した。そのパッケージの適用開始時期は、協力校などの事情に鑑み、予定よりも2,3か月遅れ、それに伴って収集データの解析についても2か月ほど遅れて進んでいるが、想定内の遅れであり、研究の遂行に支障はない。これらの状況を総合的に検討し、(2)おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更点はなく、予定通りに進めるつもりである。ただし、一事例実験デザインでの効果の分析を試みているが、データの数値化の仕方などについては修正が必要であるため、心理統計に精通している協力者や多くの指導事例を有している協力者の助言を仰ぎながら、進めているところである。
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