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2011 年度 実績報告書

どのようなビデオセルフモデリングが自閉症児の行動形成に有効であるか

研究課題

研究課題/領域番号 22531069
研究機関岡山大学

研究代表者

大竹 喜久  岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00304288)

キーワード自閉症スペクトラム / ビデオセルフモデリング
研究概要

目的:指導目標を自閉症スペクトラム障害児と共有するための手立てとして、本人が目標通りの行動を演じているビデオを作成してそれを視聴させる「ビデオセルフモデリング」(以下、「VSM」と記す)を実施し、その手立てが彼らの指導目標の達成に貢献するのかどうかを調べた。
対象児:特別支援学校小学部に在籍する自閉症スペクトラム障害児5名(男児4名、女児1名〉が本研究の対象児であった。
標的行動:対象児の標的行動は、それぞれ、手洗い時の石鹸使用(S1)、トイレでの手洗い(S2)、あいさつの自発(S3),あいさつの応答(S4)、手つなぎ体操への参加(S5)であった。
インターベンション:週3~5日、1日1回(要求があればそれ以上)、落ち着いて視聴できる時間にセルフモデリングビデオを視聴させた。S1とS2については、自然場面においてプロンプトを提示する中で標的行動を生起させ、その様子をビデオ撮影し、プロンプトシーンをカットすることによってセルフモデリングビデオを作成した。S3、S4、S5については、自然場面でプロンプトを与えても正反応が出現しなかったため、任意場面でプロンプトを与えて標的行動を採取し、それを自然場面ビデオの適切な個所にオーバーレイすることによってセルフモデリングビデオを作成した。
結果:対象者間の多層ベースラインを実施した結果、S2とS3については、VSM実施直後に行動の改善が確認された。S4については、VSM実施直後の行動変容は見られなかったが、標的行動出現後に教師が賞賛するシーンを挿入することで行動の改善が確認された。S1についてはS4と同様の内容修正を行っても行動の改善は見られなかった。S5については、内容修正は行わずに観察を続けたが、研究実施期間中には行動改善が確認されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では、「自然VSM」「削除VSM」「人工VSM」それぞれに対して12の標的行動を割り当て、タイプ別によるVSMの効果を分析する予定であった。ところが、自然VSMは現場の実情に合わないことが判明し、計画を変更して、削除VSMと人工VSMの効果の比較のみを行うこととした。また、VSMでは効果が出なかった事例に対して、ビデオモデリングの枠組みの中で、対処方法を検討することとした。これまでの2年間で、削除VSMの事例が15(計画では12)、人工VSMの事例が11(計画では12)であり、概ね順調にサンプルは集まっていると言える。VSMで効果が出なかった3事例について、ビデオヒーローモデリングの適用を試み、その効果について分析を行っている。

今後の研究の推進方策

11でも述べたように、「自然VSM」の適用が現場の実情に合わないことが判明した。そのため、「自然VSM」の効果研究は取りやめ、その代わりに、VSMでは効果が出なかった事例に対して、ビデオモデリングの枠組みの中で対処方法を考案し、実施及び評価を行うこととした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] When is the Video Self-Modeling Likely to Work for Children with ASD?2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshihisa Ohtake
    • 学会等名
      International Conference on Positive Behavior Support
    • 発表場所
      アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ市
    • 年月日
      2012-03-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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