研究概要 |
本研究は,以下の2点を目的としている。1)国内外の人工内耳装用児支援プログラムに関する調査及び保護者,担当教員に対する面接調査により,人工内耳装用児に対する教育支援活動の現状を明らかにする。2)日本型の人工内耳装用児に対する教育支援システムを提案する。 本年度の研究実施状況は以下のとおり。1)国内の聾学校を訪問し,教育現場における人工内耳装用児の指導の現状と課題について情報収集した。2)聴覚特別支援学校、人工内耳施術医療機関、人工内耳装用児(当事者)及び保護者を対象として、アンケート調査及び面接調査の実施し、人工内耳装用児に対する教育プログラムについて検討した。ア.人工内耳装用児・家族に対し、「特別支援教育体制における人工内耳装用児・家族支援モデル」を提案した。イ.本研究を通して人工内耳装用児支援に関与した教員に半構造化面接を実施し、M-GTAにより質的解析を行った。3)日本型の人工内耳装用児に対する教育支援システム及び特別支援学校での教育相談活動から就学期における教育支援の体制化について、人工内耳装用児・家族への早期支援モデルを提案した。本年度の研究成果は以下のとおり。研究成果は、国内の関係学会(聴覚医学会、日本リハビリテーション連携科学学会に論文投稿(原著)した。ア.教育・療育期の人工内耳装用の聴覚補償とコミュニケーションと支援に関する検討. Audiology Japan,56,65-72,2013.イ.人工内耳装用児・者における聴取・会話能力と学校適応および教育的支援に関する検討.リハビリテーション連携科学,14(1),92-99,2013.また、10月ミュンヘン大学(ドイツ)で開催されたInternational Symposium on Remedial and Special Education)で人工内耳装用児の保護者調査の一部を口頭発表した。
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