研究概要 |
本研究は,実簡約リー群の特異ユニタリ表現に対して,良い実現(モデル)の理論を当該表現に付随する幾何学的不変量を駆使して築くことを主な研究目的とし,ユニタリ最高ウェイト表現・四元数離散系列等に対する一般Whittakerモデル,退化主系列への埋め込み,テータ対応等の既存の研究を深めることにより,リー群の無限次元表現論の深化・発展を目指している 本年度は, Bore1-de Siebentha1離散系列を含む,テータ安定な放物型部分代数からのコホモロジー誘導表現に対する随伴サイクルと等方表現を,勾配型不変微分作用素を用いて特定するための研究を実施し,当該誘導表現に対するモデル理論を展開する上で礎になる重要な知見を得た さらには,テータ対応の拡張に関するDvorsky-Sahi理論を検討し,そのフォックモデル版を構築することによって特異ユニタリ表現に対する等方表現と拡張テータ対応が結びつくことを見出した 各連携研究者は,微分作用素環上の加群,力学的Yang-Baxter写像,多重旗多様体の軌道等,各自の研究テーマに係る側面で本研究に参画・貢献した 本研究を実施するに当たっては,International conference and summer school on representation theory and harmonic analysis"(南開大学),"The 10th workshop on nilpotent orbits and representation theory"(九州大学)の国際会議,「等質空間と非可換調和解析」(RIMS),「表現論とその関連分野」(北海道大学),「2010年度表現論シンポジウム」(静岡県)等の研究集会を活用し,D.Vogan (MIT), J.A.Wolf(Berkeley)をはじめとする専門家と研究打合せを進めた
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